21時スタート:
準備なぅ
CP:ダグキリ
テーマ:冬の朝
舞台:だっさんち
設定:恋人なってない
 ※補足として23日のSSがベースとなる
すたーと。
――あした起きたらしてやるよ酔っ払い。
酒にぼやけた頭に響いた言葉と共に覚醒した。
ガンとした二日酔い特有の痛みはないが、それ以上に困ったようなカオと反するほどの甘い声だけが焼けついていてそれに伴った自分の失態を今更のように思い出す。
そう。
相棒で信頼しててしかもかっこいい片恋の人に、青年は酔っぱらった上でキスを強請ったのだ。思いっきり。めちゃくちゃ、絡み酒の仕様で。
周囲を見渡す。
見憶えのある天井は、何度か近い失態だったり、仕事がらみで白熱して寝落ちたりした翌朝にみることができるものだ。
……困ったことに告白した相手の家のそれ。
昨日ははて、どこで呑んだのだったか。飲んだのは間違いない。絶対飲んでる。けどその経緯が全く記憶にない。
ちなみに家主もいない。
こんなところで韻を踏んでどうするのか。まだ酔ってる。
半身をこれでもかとばかりに無理やり起してみるがやはり、知る限りの範囲に同僚の姿はみつけられなかった。
因みに無理やり起したら起こしたでぐわんと頭の中が一瞬悲鳴を上げた。
うん、酔ってる。
自分にそんな言い訳をすることは可能だが、酔ってるからといって許されることなど世界にはひとつもない。むしろ罪は重いのが一般的だ。
車は勿論、自転車だって馬だってとっつかまる。
――想い人の腹の上に乗っかってちゅーしろと迫るのだって立派なセクハラだ。セクハラ?強要罪?あ、脅迫かもしれない。
「駄目だろ!」
自分に入れたツッコミにアタマが再度ぐわん。学習しないことこの上ない。
「うぅううオレのばかぁ」
ぐずぐずいいながらそのままベッドに戻る。仰向けで勢いよく倒れたせいで、枕とシーツはクッションになってくれたが残ってるアルコールがじわんと主張する。
なにしてもアレだが、はて今日って仕事だったかしらん?
そう思えば仕事なら、相棒のことだちゃんと起こすだろう。
こちらのリアクションがいかに「あぁ覚えてるなぁ」というのが解る露骨に奇怪な態度だとしてもきっと説教なぞせずにスルーすると思う。だって仕事に支障が出るから。
初めてお邪魔した頃からこの部屋は「ここ資料室だったっけ?あれ?職場戻ってきた?」と首をかしげるぐらいに資料であふれていた。いくつかは「まて。まってこれなんでここにあんの」と思ったものもある。仕分けしている途中で頭抱えた。しないと、買ってきた晩飯すら食えなかったくらいなんだからよく覚えてる。そんくらい(前の相棒とかの事情があったにせよ)この部屋の主は仕事に執心していた。良いとか悪いではなく、彼の本質として。
でそれを支えたいなーとか手伝いたいなーとかなった途端、仕事には執着するがそこで自分が取捨択一した以外の資料に対して割とないがしろにするとかいう愉快な展開が待っていて、そのギャップに笑わされたり――あ、これオレがついてなきゃとかほだされたり。いやほだされてたならちゅーは多分迫ってない。
言い訳してもしかたがない。好きだからちゅーは強請ったのだ。
寒い、冬の入りの夜だった。
酒で温まっている筈なのに指先や足先が寒くて。
……別にダグんちが隙間風ひゃっはーとかいやそういうわけじゃなくって、傍にいるのになんだか悔しくて。
強請るように側に身を寄せて乗っかって、最初は猫かワンコみたいにじゃれてた、筈だ――それじゃ足りないなんてのは、間違いなく自分だけのわがままで。
「――さむくねーのかな?」
今どこにいるのかわからない男は、少なくとも暖房がそれなりに効いたこの部屋にいないということは寒いところにいる気がした。
起きる自分から逃げようとしたのか、それとも別件か。
時間からしてまだ出勤時間ではないと思うが、オレを寝かすために覚えていたら気まずいようなことをいったから、先いったとしてもおかしくない。
思考がぐちゃぐちゃだ。あぁもう。酒の馬鹿。ダグとのお酒、おいしかったです。もう二度と連れてかない、なんて言われたらどうしよう。言われそう。うわん。
「おれもーさけやめるー!」
「まぁやめなくても量は見極めてくれ」
がちゃり、という扉の開く音と共に聴きなれた相棒の忠告が耳を打つ。
きっちりとコートを着込んで「帰ってきた」家主は鼻先を赤くしてこちらをみた。
ただいま、といわれたのでおかえりと返す。オフィスとかでも時々使う言葉なので、あまり違和感はない。
手にしているのはベーカリーのものと思わしき紙袋。それからちょっと大きめの水筒だった。多分1Lくらいはいる。
「なんで?」
「牛乳は冷蔵庫に入ってるから」
答えになっているんだかなっていないんだかよくわからない返答が返ってきた。
首をかしげると「巡査はミルクコーヒーだろう?持ち込みポットで買ってきた方が割引してくれるし、運ぶのが楽なんだ」
変なところで所帯じみたことをいきなり言い出した相棒はテーブルにそれらを置いてからベッドの――オレの方に近づいてきた。
ふっ、と鼻を掠める冬の匂い。
なんの、って特に言えないんだけど、冷えた空気特有の香りをダグが纏ってる。
つまりつめたいってことだよな――そう思いながら気が付けば真っ赤になってる鼻先に手を伸ばした。ダグはその手を当たり前に自分の手でとる。
手袋はしてこなかったらしくて手は素肌だ。焼きたてのパンと水筒越しとはいえ珈琲を持っていたからかさほど冷たくない――けど導かれた先の頬はひやっとしていてオレは無意識にその指先を乾いた目じりへと躍らせる。
「おはよう巡査」
「おはよ――ダグ。さむい?」
「すぐあつくなる」
「え?」
「いったろ。起きたらキスするよって」
「してやる、だろ」
投げっぱなしに言ったくせに。そう返したら「そうだったかな?俺も酔ってたんだよ」とにべもない。
あぁ、くそ。あんたの、そういう。
「していい?」
「しろよ」
そういう、狙ってるのか狙ってないのかよくわからねぇ言葉遊び。
そこんとこも、好きだから困るっつー話で。
降ってくる唇にも微かな冬の気配。乾いた唇がこのあとどんな言葉を紡ぐのかはなんとなくわかっていた。
なにせ朝、恋人にこれからなるって相手を放置してまで優先させたことなのだ。
「さて、メシにしようか」
「しってた!」
おしまい。
おつきあいありがとうございました。
終了:21:37 (約40分
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向き
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20211123 ワンライ参加リアタイ更新
初公開日: 2021年11月24日
最終更新日: 2021年11月24日
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コメント
ふぉろわさん企画のワンライ。
#ダグキリ版深夜の創作60分一本勝負
日付が違う?いえっす。なぜなら昨日の企画だから。
昨日呑み歩いてて使い物にならなかったから。
なので、今日やる!
21:00~ テーマ「冬の朝」
きょうのだぐきり(兄弟とカレー
リクエスト兄弟でというのもあったのでそれも踏まえてみんなー5月7日にはカレー食おうぜー!(気が早い…
かがさん。
20200409 きょうのdgkr
だぐきり。大体30分くらいです多分。
かがさん。
続き
怪文書をぐだぐだと書きます。⚠︎脱線する可能性大 多分キラホラをメインに書きます!! ※無自覚キラと…
惑星だいす