今回は映画感想ではなく、塚口サンサン劇場で開催されたトークショー「尼の塚口のお喋りどもと」-いらっしゃいませ。ようこそ、場末の映画館へ-」に参加してきました。いやーなんでもやるなあこの映画館……。
 こないだのyoutube配信でもかなり面白かったというかかなりギリギリの内容でしたが、今回もいつセーフガードがダウンロードされてもおかしくないレベルのとんでもない話がてんこ盛りでした。しかも撮影・録音OKという大盤振る舞いで、あとからなに請求されるんだろう……とガクブルしながら参加してきました。
 今回の内容は、サンサン劇場の前身とも言える西灘劇場、そして西脇劇場の思い出を、みんなのアイドル戸村支配人自らが語るというもの。
 今回はなんと入場者特典として、西灘・西脇両劇場の閉館時の復刻チラシが配布されるという暴挙に。このチラシは20年後くらいにはひゃくおくまんえんくらいの価値になっていることでしょう。
 最終的な感想から先に言うと、サンサン劇場はなるべくしてこうなったんだなあ……と言った感じです。狂気の源はすでにあったのだ……!
 トークはまず、昭和26年に開館し、平成16年5月31日に53年の歴史に幕を下ろした西灘劇場の話からスタート。
 もうこの時点でいきなり「ラスト4週間の『スタンド・バイ・ミー』や『ロング・グッド・バイ』といった上映作品の中にしれっと『未来世紀ブラジル』が混じっている」「最終日のラスト上映作品である『恋する惑星』の権利切れの日が閉館日と奇跡的にかぶってたのをいいことにタダみたいな額で上映権を買う」などといった隠しきれない狂気がダダ漏れとなっており、ポイント(?)がすごい勢いで加算されていきます。
 そして極めつけは、オーソドックスな古典的名作ばかりじゃ刺激が足りないということで「えびボクサー」「キラーコンドーム」を上映したらびっくりするほど客が入らなかったとか聞いたときには、「ああ……」(謎の納得)と思いました。なんでよりによってその2本をチョイスしたんだ……来年上映してください見に行くので……。
 次はさらに時間をさかのぼり、兵庫県は西脇市に生まれた西脇劇場の話。そしてここから戸村支配人まさかのカンペ放棄。うーんライブ感。
 終戦直後の西脇市に生まれた映画館で、昭和21年開館、平成19年10月28日閉館のこと。
 現代の価値にして3億5千万円もの巨費を投じて建設された西脇劇場、戸村支配人が着任したときにはほとんど廃墟で車でスルーしてしまったとか。
 今ではおそらくほぼないんでしょうが、成人映画に関する裏話というか裏側の仕組みが暴露されておりました。
 なんでも成人映画の権利料は破格に安い上に、映画そのものは見ないけどほかに娯楽施設のない地域だったために常に一定のお客さんが見込めるんだとか。
 さらには、成人映画は定期的にタイトルを変えて新作映画として上映してて、映画館には「タイトル変更一覧表」なるものが配られるそうです。オトナの世界って怖い……。
 西脇劇場でのエピソードももう人知を超えたとんでもなさで、やれビビるほど客が入らなくて当時の記録によると観客数がゴルフのスコアみたいだっただの、やれ水害にあって劇場内がほぼ水没、濡れたら一発アウトのスクリーンの下端1センチのところまで迫ってただの、暖房がボロすぎて冬が極寒だっただの、劇場の木製扉が立て付け悪くて最終的に鍵を外してセキュリティがゼロだの、聞くも涙語るも涙の笑い話がてんこ盛りでした。いや完全に笑い話ではないんですが。
 また、昭和世代には懐かしいあの電柱にビニール紐でくくりつけられた捨て看に関するエピソードも披露され懐かしい気持ちになりましたがだいぶヤバい話になってました。話していいのかこんな事。
 あと厳密にはもう一つかなりヤバ目の、危険度で言うとダンガンロンパのネタバレレベルのほっこりエピソードがあるんですが、これ改めて考えるとどう考えてもトークショーで話していいネタではないので、本日参加した皆さんの心のおしゃれ小箱にしまっておいてください。いやほんとにいいんですかこれ……。
 映画の上映以外にもさまざまなイベントを行っているサンサン劇場ですが、こうしてこの映画館の成り立ちを、支配人自ら語る映画館ってそうそうないですよね。ここほんとに映画館?(いつもの)
 今回のトークショー然り、以前のyoutube配信然り、戸村支配人とこのサンサン劇場はほんとうに素晴らしい。
 なにが素晴らしいって愛ですよ。これだけ映画と映画館を愛してれば、そりゃあサンサン劇場はああなるよなと納得しきりです。そりゃあ愛される映画館になるわな。
 前述のとおり、サンサン劇場では映画上映以外にもさまざまなイベントが催されていますが、今回のトークショーはもう実質サンサン劇場のドキュメンタリーみたいなものでした。しかも生。
 もうどれだけ言葉を尽くしても、この映画館の素晴らしさは語りきれません。
 ところで戸村支配人いわく、「映画館というのはバイプレイヤーのような存在でありたい」とのことですがこんな濃ゆいバイプレイヤーなんて天の川銀河じゅう探してもここしかないと思います。
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塚口サンサン劇場「尼の塚口のお喋りどもと」見てきました!
初公開日: 2021年11月23日
最終更新日: 2021年11月24日
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本日開催された塚口サンサン劇場でのトークショーの感想です。