世の中には色々な性癖があると思うし、これだけ変態だらけの街なら、並大抵のものなら、まぁこんなヤツもいるだろうくらいには、ロナルドは思っていた。しかしそれはあくまで、自分の身に関係の無い場所だからこそ許せる事であって、己の身に降り掛かってしまえば、それは全く話が変わってくる。
吸血鬼が現れたから、退治をして欲しいと要請があれば、ロナルドが断る理由など無い。
……例え上半身が裸で、胸に搾乳器を付けているような、どう見ても不審者でしかない男の吸血鬼だったとしてもだ。
「我が名は搾乳スキー!世の中の母乳は我の…らふげっ!」
吸血鬼が名乗り終える前に、ロナルドは吸血鬼を無力化したのだ。
本当に此処にヒナイチ達が居なくて良かった。あれを女性に見せるのはあまりにも忍びない。
「またロナ戦に書くネタが無い…。」
もう少しまともな吸血鬼は居ないのだろうか。
そう言えば、急いで飛び出してきた為、ドアに挟んでしまったドラルクはこちらに来ているのだろうか。遠くから声が聞こえて来た為、追いかけて来たのは分かった。
「しっかし…コイツの能力って…」
無力化している吸血鬼に近づき、ロナルドはその姿を観察した。
見た目が変質者な事以外は何も分からない。
だから油断していたのだろう。ふと指先に小さな痛みが走る。そう、自分はいつの間にか噛まれていたのだ。
「……なっ!」
吸血鬼は意識を失っており、ビクリともしない。
いつの間にか、自分は噛まれていた。
もちろん、そんな隙なんて無かった筈だ。
ロナルドは急いで銃を構える。もしかしたら、他に吸血鬼が居るのかもしれない。