見えざる翼が疼くのだ
誰が加害者で誰が被害者だ
翼の折れた鳥は飛ぶために足掻くのだ
隻翼にして隻腕、片腕も片翼も亡くした傭兵はいつまでもいついつまでも修羅の道を行く
瓦礫の陰には少年が、自分とよく似た目で見つめている
死神さえも腕に抱きこんで微笑む相棒の、その美しさに息をのむ。
全て幻想だ、妄想だ、そう思うのだが、あまりにも容易く脳裏に浮かんでしまった。
ああ、美しき空の王。円卓に君臨せし騎士のごとき鬼。
空に飛び交う鋼の鳥を刈り取る死神すら、お前の腕の中では赤子も同然だ。
堅牢に見える倫理の壁も時に脆くも崩れ去る。
だから、俺は
星屑の革紐だと難しいな。ろまんがのローラン(エトワールのパパ)はピにちょっと似てるんだけどね
銀色に輝く夢の中、零れた砂が巻き戻る夢を、夢見ることすら罪深いと知っているから目を閉じた。
早く目が覚めればいいのにと、願いながら。
巡る、巡る、風が巡る。
風車が回る。
踊る、踊る、焔が踊る。
生まれ故郷を燃やしながら、焔が踊る。
あのとき、どうやって逃げ出したのだったか。
分からない。何か大切なものを握りしめて、逃げ出したような気がする。
とても大切なはずだったのに、それが何かも思い出せない。いつ落としたのかもわからない。
ああ、どこに、どこに……
何が起こったのかもよく分からないまま、熱風に嬲られながら石畳を駆け抜けた。
悲鳴と怒号と、銃声と、今となっては分かってしまう「良く分からない声」があちこちから聞こえてきて。
ただただ恐怖で足を動かした。
奴らが追いかけてくる。奴らがくる。奴らが何かも分からないまま走る。
星屑を辿る様に、街の外に出て森へ出た。大木の下、洞のようになっている場所に蹲って息を殺して朝を待った。
目覚めれば一人だった。静かな、肌寒い朝だった。
燻る炎が、立ち上る煙が見えてしまった。
独りになってしまったのだと、悟ってしまった。
もし生まれ変わったら小さな花を咲かせよう。
次は逃げずに、離れずに、傍で、隣で、お前の相棒でいよう。
お前がそれを許してくれるなら