ファイナリアクロニクル ミラーリングデイズ
第2章 居候ジャーナリストの旅立レポート
概要
例の記事がうけて、取材を続けるうちにエリシオの妄想と呼ばれていたことが現実味を帯びて、確信をもつ。そこでふんわりと、歴史をつくることに強い興味がでてくる。
しかし、エルが過労とストレスで倒れる。巻き込んでしまったことが負担になったから、彼女から離れないと歴史をつくるようなことができないと考える。
逆にエルの父は心配になり、娘がもっとも心許せる相手であるエリシオに結婚相手になってくれないかともちかける。
エリシオはエルのためには、僕が出ていかないとマズイんですと言い切ってしまう。
1-1 妄想から確信へ
1-2 エル、倒れる
1-3 帰ろう、僕たちの家に
1-4 嫁にもらってくれないか
1-1
 深入りするな。
 オリバーに握らされたお札にそう書いてあった。くしゃくしゃにしてしまったが使わずにとってある。
「これ、どういう意味かな」
 とぼけたようにカウンター越しに疑問を投げかける。
「……忠告、ですか」
 カウンター越しにバーテンダーがそのままの意味を教えてくれた。
 エルと一緒に来たパブにエリシオは取材名目でやってきた。まだ日も沈まぬというのに、この店は賑わっていた。
「忠告ということは真実に近づいているということかな。あの日、いつもと違う人見ませんでした?」
 バーテンダーは首を振る。
「あなたと、軍人さんぐらいですよ。こんな店に初めてきた日に事件なんか起こしたらすぐ足がつきますよ」
「まったくだ」
 街の酒場なんて常連だらけで足がつきやすい。わざわざ顔をだすわけない。
「この忠告うけたあとに襲われた。関連がないと言われること事態がおかしいだろう。そう思いませんか?」
「私にはわかりませんし、お客様を悪者にはできませんよ」
 鑑のような回答するバーテンダーにこれ以上聞いても無駄かもしれない。
 考え事をしていると、肩をバシンと叩かれた。
 よお、あんちゃん。
 声をかけてきたのあのおっちゃんだった。
 彼は僕たちの話を一番聞いていた可能性が高い。
「なんだあ、俺を警戒してるのかあ」
 心外とばりにやれやれとしている。
「俺も新聞で知ってびっくりしたんだよ、これ、嬢ちゃんとあんちゃんじゃねえかって。嬢ちゃんの馬の記事が出てるから無事なんだろうが、ほんとに無事なのか?」
 記事のストックという概念を教えてあげたいが、ともかくそんな話をしてる場合じゃない。
「ええ、無事です。ご心配をおかけしました」
「そうか、ならいいんだ。俺は子どもいないけどよ、若いやつが酷い目に遭うのはどうも泣けてくるんだ。いや、無事ならいいんだ。変なのにクビつっこんで、巻き込まれないよう頼むぜ」
「は、はい……」
「変なのとは?」
「あぁ? いるんだよ、最近、訳の分からないのが」
「詳しく聞かせてください」
「俺たちのところにも声かかったよ。カクメイだのなんだのって」
 政治部の編集部に足を運んだ。
 忙しそうにしている編集長を捕まえて、持論を展開する。
「日雇い労働者、その日暮らし低所得層を狙って、組織化を図る連中がいます。やはり、僕の思った通りです。問題はその発信元……」
 困った顔でエリシオを見上げる編集長。
「そういうネタはまだ早い。お前は競馬班の仕事に行け」
「なんでですか、僕、追いかけれますよ」
「そうじゃない、いいか。……これはお前の身を守るためでもある。少しおとなしくして諦めたフリをするんだ、生き残るコツだぞ」
「そんな、器用にみえます?」
「大変だ、エリシオ、ちょっと来い!」
「なんです?」
「エルが倒れた!」
 ソファの上に横たわるエルは毛布で、体を、顔を覆っていた。泣いているな、とエリシオの直感が告げる。
 倒れる、という印象とは違うが、具合は悪そうなのは一目瞭然だった。
 今朝は調子悪そうだったが、昼からずっとこれだ、と先輩は説明してくれた。
 医者を呼ぶか病院に連れていきたいとデスクはいうが、どちらもエリシオは断った。
「家に連れてかえりましょう。少し休んだ方がいいと思います」
 エリシオは誰よりも自信満々に提案した。
「病院で診てもらった方が……」
 デスクは自信なさげに干渉してくるが、エリシオは首を振る。
「家って、実家ですよ。僕が一緒に行きます」
 慌てず、冷静に言い切る。
「わかった。馬車を呼んでこよう」
 先輩がフットワーク軽く、窓から身を乗り出して、社の車寄せに待機する馬車に向かってなにやら叫んでいた。
 エリシオは意を決して、エルに寄り添う。
「エル、大丈夫か?」
 首を横に振っているのがわかる。
「実家に帰ろう。僕が送るから、
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FCミラーリングデイズ2 下書き配信4
初公開日: 2021年08月13日
最終更新日: 2021年08月20日
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