まず、ここで呼吸における累(かさね)というものについて解説をする。
 累は俺独自に開発した技術で、その技術とは単純明快で『型の最中にもう一度呼吸する』というものである。
 本来、型というのは誰もがある程度の強さを発揮できる技術であるのに対して、これは本来の速さ、動きを大幅に超えることができる技術である。
 これは型を二回行うのとは意味が違い、霊子を取り込んだ状態に更に霊子を取り込むため、爆発的な能力を使うことができる。
 だからこそ、霊子超過を引き起こす可能性が高いため、基本的には使いたくない。
 今でこそ、色々会って霊子の保有量が増えたから良いが、昔は一回使うだけでしばらくは息抜きをしないと行けないくらいだった。
 そして、全集中の最中にさらに集中を求められるため、普通にむずい。
 タイミング外すと失敗するし。
 ……という謎の解説。
 なんで今してるかって?
「波悉く我が盾となれ 雷悉く我が刃となれ(なみことごとくわがたてとなれ いかずちことごとくわがやいばとなれ)」
「花風紊れて花神啼き 天風紊れて天魔嗤う(はなかぜみだれて かしんなき てんぷうみだれて てんまわらう)」
「『双魚理(そうぎょのことわり)』」
「『花天狂骨(かてんきょうこつ)』」
 そんなおしゃれな……失礼、オサレな台詞と共に斬魄刀の始解を披露されれば俺だってなにか張り合う方がいいと感じる。
 だからこうして分かっていることを復唱して、解説風にしている。
 なんかこれでオサレって上がるの? ようわからんけど。
「とりあえず、三人もいるんだから理知的に闘うってのはどうだい?」
「ほう春水からそんな提案が出るのは珍しいな」
 それにしても、二人して二刀流ってなんかあるんですか?
 二刀流強い、的な?
 それだったら俺楽できるんで最高なんですけど。
 俺は二人の話を聞きながら、息抜きを行って気配を消しつつ、少しでも回復できるように努める。
 正直、この二人が協力してくれたとしても、俺が逃げれる保証はない。
 いざとなればこの二人を切り捨ててでも……
「一人が囮役、残りがサポートだ」
「まぁ、人数の利を活かすという点では賛成だが、あの元柳斎殿を相手に囮なんて……」
「え、いや」
「あぁ」
 へ? なんでお二人はこっちを見てるんでしょうか……。
 え、というか気配消してるのにどうしてそんなこっち見るの?
「この戦いの最中にあまりにも霊圧が小さいと、嫌でも目に入ってしまうよ」
「と、いうことで」
 は?
 俺の言葉が届くことはない。
 隊長二人が俺の腕を引っ張り、思いきりお爺さんの方に投げる。
 おいおいおい天下の隊長さんが一人のいたいけな少年を極悪爺さんに向かって投げるとか道徳心はどうなってるんですか?!
 あ、死神だから道徳心とか訪ねても無駄か
「一人、やられに来おったか」
 首を全力で横に振る。
 別にやられに来た訳じゃないし! むしろ一番生きようと思う気概があったと思いますよ?!
 空中で体制を立て直す。
 雷の呼吸、というか人間ってだいたいそうなんだけど、空中って身動きとれないのよ。
 だからこの状況は俺的に非常に不味い。
 だから、すぐにでも反応できる呼吸を準備して、
 シィィィィィィィ
 雷の呼吸
 参の型
 目の前には、炎を纏う鬼。
 死は近い。
 ……ワンチャン刀を地面に見立てて避けるか?
 そんなことが頭を過った瞬間。
「ご苦労様」
 下から声が聞こえた。
 ちらりと見ると、そこには花柄の羽織が写る。
 え?
「ほうら!」
 軽い一声とは裏腹な、命を狙う一閃。
 いや、ハサミのようにして斬魄刀を扱うことで逃げ場を減らしている。
 回避としてあげられるのは、しゃがむ、飛ぶ、仰け反る。
 俺だったらしゃがみ一択。
 次の行動に繋げやすいから。
「「やっぱり」」
 俺と花柄隊長の声が重なる。
 このセリフが出るということは、目の前で予想通りのことが起きることであり、
「分かっていた、という雰囲気じゃが」
 目の前では、お爺さんが二振りの斬魄刀を素手で止めている姿。
 自身の斬魄刀を使うまでもないと地面に突き刺している。
 素手で斬魄刀止めるとか意味不明なんだけど、そんな意味不明をしてくるのがこのお爺さんなんだなぁ、とすでに理解しておりました。
 だからこそ、次の一手は見ないでも分かる。
「まだ甘い」
 俺は花柄隊長の後ろに着地するような位置にいる。
 なので、目の前に花柄の羽織が広がっていくのだが、それが俺に近づいてくる。
 俺は空中にいるため身動きはできない。
 つまりは花柄隊長がこちらに向かってきているということ。
「おっとごめんよ!」
 頷いて返す。
 俺は花柄隊長を受け止め、そのまま流されて後ろに飛ぶ。
 え? つまりは斬魄刀を素手で持ってそのまま俺の方に投げ飛ばしたってこと?
 意味わからないんだけど。
 と、視界の隅に写ったのは、お爺さんの背後にいる浮竹さん。
 まぁ、花柄隊長が前からということは、素直に行ったのだろう。
 で、当然お爺さんには気づかれている、ということで、
 
 聚蚊成雷(しゅうぶんせいらい)
 先程から使わずにおいたこれを放つ。
 地面に足が接触することで、ようやく輝き出す俺の機動力。
 京楽さんの背後を抜け、その独特なステップで振り向いたお爺さんに後ろから近づく。
 そして、俺とお爺さんは同時に動いた。
 お爺さんは、浮竹さんを拳で撃ち抜く。
 浮竹さんは背後に回避したようだ。
 そして、それと同時にもとの方……俺の方を向く。
 それはまるで知っていたかのように。
 俺が来るためにタイミングと速度をあげて、振り返る。
 同時に裏拳も構えているあたり、恐ろしすぎる。
「累(かさね)」
 対する俺は、多分対応されると理解していたからこそ、累(かさね)を使う。
 霊子超過に関しては、先程からまともに呼吸できていないので、正直余裕。
 先程の花柄隊長が投げ飛ばされていなければ、これはできなかった。
 型の最中に呼吸をする。
 これは同時に同じ型を累ることで型毎に特殊な挙動を見せる。
 今回の聚蚊成雷(しゅうぶんせいらい)は、
「羽虫染みておるのぉ」
 独特なステップの重複により、分身して見える。
 分身は全員が一斉にお爺さんに襲いかかる。
 もちろん、俺が増えるわけではないため、一連の動きであるだけ。
 しかしそれら一つ一つは、俺の残像であり、軌跡であるため、
 スッ
「う”す”か”わ”い”ち”ま”い”!!!」
 その強靭で硬い体に、無数の切れ目を残す。
 正直致命傷もくそもない攻撃だが、これでも傷一つつかなかったところから見ると成長だ。
 いや、成長ではなく協力の成果なんだけど……
「うん、よくやったじゃないか」
「おぉ、進歩だねぇ」
 隊長二人のフォローが心に染みる。
 ……冷静に考えて、なんでこんな一撃が軽いのをチョイスしたんだろ。
 もっと熱界雷とか霹靂とかあったのに。
「こんなものを残しておるとは」
 それにダメージ与えられてないのに警戒心だけあげちゃったし。
 お爺さんこっち見ないで、ホント。
 俺集中されたら死ぬって、そろそろ。
「さぁ、若い子にだけやらせてないで、僕らも頑張るかな」
 お爺さんを通り抜け、浮竹さんの近くに着地すると、浮竹さんは俺の前に立ち、その両刀を構える。
 めっちゃ頼もしい……。
 浮竹さんが腕を交差するように双刀を構える。
 片方を勢いよく振ると、不思議な現象が起きる。
 周囲に会った炎が刀に吸収されていった。
「ッ?!」
 思わず驚く。
 だって今まで悩まされていた炎を除去できるとかそれだけでも最高なのに。
 しかし、俺はすぐに構えた。
 それは、後ろから見た浮竹さんの顔が苦い表情だったからだ。
 浮竹さんは、それからまたすごいことをやってのける。
 浮竹さんの双刀は、柄の部分が紐で繋がれているのだが、それが光ったと思ったと同時に、もう片方の刀から炎が飛び出した。
 ちなみに、ゆっくり解説しているが、この間は一秒とてない。
 常人では理解できない速度で炎の吸収と放出を行った。
 どんな仕組みかはさっぱりだが、とりあえずこれで思いっきり呼吸できる。
 シィィィィィィ
 雷の呼吸
 壱の型
 俺が型を止めると、当然のように浮竹さんから放たれた炎は一瞬で消え去る。
「この炎が儂を傷つけられ」
 霹靂一閃 累(かさね)
 霹靂一閃の累。
 型の最中に呼吸をする都合、この技は累までにかなりの距離を保ってないと使うことができない。
 だからこそ、この累は開けた場所で、かなり距離があった状態じゃないとできない。
 だけど、今だったらーー
 お爺さんの言葉を途中で切り、俺は飛び出す。
 目指すは最短最速の、自身最強の技。
 そして、これならば……
「あっ、でっ…………ぅ…………ーーーー」
 上手く行くとでも思っていたのか?(戒め)
 見事にコケた。
 最速の技で、めっちゃ使ったことのある技で、コケた。
 タイミングいつもより早くして、間違った。
 つまずいた。
 そのため、俺の体は勢いを殺すことができず、地面と水切り状態である。
 なんとか四肢を最大限利用しておろし金状態は避ける。
「ぶべっ」
 そしてなんか知らん木と衝突した。
 結構痛いけど、地面に比べれば柔らかい。
 地面にぽとりと落ちた。
 ゆっくり立ち上がろう。
 隊長二人が止めていr
 ビクッ
 しゃがむ。
 は?
 なんで今俺しゃがんだ?
 え、てか顔熱。
 火の粉?
「……」
 顔を上げるまでもなく、俺の目の前には物言わぬ鬼がいるのが理解できた。
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ぬー(旧名:菊の花の様に)
双魚の理と花天狂骨の解号忘れた
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BLEACH鬼滅二次創作 74話【連載】
初公開日: 2021年07月03日
最終更新日: 2021年07月06日
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コメント
BLEACH鬼滅の二次創作を書きます。
74話です。
誤字って亡くならないんですよ。
もう屠りたいくらいなんですけど。
だから皆さんには本当に感謝しています。
マジで
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次回のテキストライブ→まだ
作品URL→https://syosetu.org/novel/245544/
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