努の警護役と探索活動からのリフレッシュも兼ねて一人迷宮都市に残ったガルムは、スタンピード組を見送った朝過ぎから彼に付いていった。
「それじゃ、行ってくるよ」
「うむ。今のところオルファンがダンジョン内での鉢合わせを狙っている節はないが、いずれにせよ気を付けろ。敵が何処にいるかわからんからな」
「誰を見て言ってるんだ、糞犬?」
「ポテトの恨みは恐ろしいっすよ……」
「ユニス、頼むぞ」
「わ、わかったのです」
額に青筋を浮かばせているエイミーと何故かおどろおどろしいハンナを前に、ユニスは少し混乱しながらもガルムからの頼みに頷く。そして114階層へと向かっていった努たちを見送り、受付にいる顔馴染みの人たちに目礼しつつギルドにある神台を眺める。
(懐かしいな)
時間帯からしてそこまで潜っている者はいないものの、114階層が百番台以内に映ることはなかった。一桁台のほとんどは150階層主の攻略中で、二桁上位は141から149階層を探索してレベル上げや宝箱目当ての狩りなどを行っている。それより下は120階層から130階層がメインで、たまに孤高階層で唯一映される場所である135階層と、レイド戦である白門での戦闘風景が見えるくらいだ。
(ゼノが予想していた通り、120階層までが百番台のボーダーラインか。そこまでは狙われることも少ないだろうが、百番台以内に映るようになればオルファンからも捕捉されやすくなる。それに個人を狙いやすい135階層もある。そこが抑えられればいいのだが……)
孤高階層の中で唯一PTが組めて神台にも映る135階層は、白門と違いその時に潜っている者たちの中でランダムに組まされるので完全な固定PTを組むことはできない。努の階層更新を妨害することが目的ならば、その時を見計らい大人数で135階層に潜り続ければ努のPTには数人オルファンが混じることになる。そうなってしまえば135階層の突破は厳しいだろう。
(ゼノから聞いた限り手立てがないわけではないが、やはりスタンピード組が頼れないのは痛手だな。努たちの進行状況にもよるだろうが……)
オルファンには135階層に潜れる探索者が軽めに見積もっても数十人、アルドレット工房の協力もあれば更に膨れ上がるのかもしれない。それに対して努たちPTは五人だけなので、数の暴力で封殺されることになる。
しかしそれならばこちらも135階層に潜る人数を増やせばいい。そうすれば少なくとも努以外全員オルファン、なんてPTが構成される確率は少なくなる。もしそこに自分が入ることができれば仮に三人相手だろうが跳ね除けられるだろうし、努たちの勢力が過半数を占めれば135階層の攻略も難しくはなるが可能にはなるだろう。
だが問題は努に協力してくれるような者たちがスタンピードによって軒並み迷宮都市から離れていることだ。彼はむしろ最前線組との距離を詰めるチャンスだと張り切っていたが、今の状況は協力を見込める者たちがごっそりと消えた中でアルドレット工房率いるオルファンを迎え撃たねばならないピンチであるともいえる。
(……出来ればダリルにケリをつけさせたいところだが、見るに耐えん)
ダリルが無限の輪を抜けて自ら創設した孤児集団のオルファン。それは数年ほど上手く回っていたものの、彼の失墜から道を踏み外すまでは早かった。若さ故に力を持て余したところを悪い大人にそそのかされ、今ではアルドレット工房の傀儡と化していることにすら気付けない。
それはかつての自分とて同じだった。神のダンジョンの探索者として名を上げ始めて力を増していた時、ガルムもまた悪い大人に騙された経験はある。そもそも騙されていることにすら気付かずにとある施設の警護を請け負っては報酬を受け取り、当時は困窮していた孤児院に寄付をしていた。
身寄りのない者たちを集めて仕事の斡旋、又は支援するための施設だと聞かされていた場所を襲撃してくる者たちを、ガルムは警護役として対処し目覚ましい活躍をしていた。自分の守っている場所が犯罪クランの奴隷売買所だとは露とも知らず、植え付けられた正義を信じる――もとい妄信するしかなかった。
思えば何処かおかしいところはあった。孤児院育ちでそこまで高等な教育こそ受けてはいなかったものの、警備の仕事だけでここまで高額な報酬がもらえることなんてあるのか。施設を出入りしている一部の者たちの羽振りはやけに良く、かと思えばその美しい見た目とは裏腹に生気が感じられない顔をした男女も出入りする。
この施設は果たして本当に聞かされている通りのものなのか。そんな小さい疑念は確かにありはしたが、自身を育て上げてくれた孤児院を持続させるには金がいることも確かだ。そんな中でこの仕事を切るのは惜しいし、正当なものに違いないと思い込みたい気持ちもあった。
そんな胸中の内に警備団とギルドを協力しての掃討作戦が始まり、そして自身を下したカミーユからその施設の現実を突き付けられた。そして踏み外していた道を正してもらい罪を償った後にガルムはギルドへと加入し、今は無限の輪のクランメンバーとしてここにいる。
♡どうもです
なんかガルムの過去話になってたけど、これはこれでいいか。もう少し詰められそうなので後で考える。
昼にテキストライブやって執筆する流れはいいんだけど、この後の執筆が繋がらないんだよね。なんか放送は一日一回っていう縛りがある。
だけど休憩してからやろうとしても出来た試しがないので、この後の過ごし方は考えないと一生書けなさそう。
休憩は絶対必要なんだけど、ゲーム(ウマ娘とAPEX)、YouTubeダラダラ見るはやっちゃ駄目な気がする。それ以外の休憩方法を試してみます。
週4は中々の化け物だけど、日間ランキング狙うとかならやった方がいいね。ライダンも初めの方はそんな感じだったし
そろそろ書く習慣取り戻していかないとヤバめな印象なので昼は書いていきます。ダイヤいってからモチベなくなっちゃった……