テキストライブ
「#君があまりにも優しく笑うからの続きをみんながどう書くのか見てみたい」
~推し香水を逃した呪いの感情を添えて~
こんばんは。
テキストライブ初配信です。
いろんな方がどんな風に作品制作しているか気になりまして、作成してみた次第です。
書いてると予測変換で執筆画面が全く見えない!
まあいいか。
あっごめん、二次創作にします。
君があまりにも優しく笑うから、俺はこの手をそっと離した。
今はもう、何度繰り返したかわからない。
君は今日もメイド喫茶でアルバイトしていて、俺はいつも通り、八番テーブルで過ごしている客で。
夏の終わりが、すぐそこまで来ていて。
俺の命の終わりも近付いていて。
いつも通り、会計を頼む。
君は足早に、レジに向かってくる。
俺は千円札を出して、君はレジを打ち込んで。
お釣りの小銭を、俺の手に握らせてくれる。
ほんの一瞬、君の手と、俺の手が触れる。
君の体温であたためられた小銭が、俺の手のひらに載せられて。
そのまま、二人の手は、そっと離れる。
あと何回、君に会えるだろう。
この世界では、君のパートナーは俺じゃない。
それでもいい、君が生きて、幸せになれるなら。
自分に向けて、そう言い聞かせたつもりだったのに。
残った未練が小銭を取り落とし、床にぶつかって音を立てた。
君が慌ててお釣りを拾い、再び俺の手のひらに載せる。
右手で小銭を渡し、左手を俺の手のひらに添えてくれる。
希望も絶望も、未練さえも、取り落とすことが無いように。
君があまりにも優しく笑うから、俺はこの手をそっと離した。
本当は、ずっと触れていたかったのに。
他の誰にも渡したくないのに。
君の笑顔は、俺の心の矛盾を見透かすようで。
あまりに眩しくて、後ろめたさを曝してしまいそうで。
君のパートナーが俺じゃなくてもいいなんて、嘘だ。
本当はこのまま連れ去ってしまいたい。
俺だけの君でいてほしい。
こんな俺が、君に触れてはいけないんだ。
自分が生き延びるため、何度も君をこの手にかけてきたのに。
それでも、君を俺のものにしたいだなんて。
神様に聞かれたら、きっと笑われるんだろう。
どこまで我儘を貫くつもりなのかと。
何事も無かったかのように、店を出る。
君から渡されたお釣りを、ポケットの中でこっそり握り締めながら。
手を繋ぐ資格なんて、きっともう無いんだと思う。
それでも、こうしていると、少しだけ君と繋がれる気がする。
だから、このお店で支払う時は、紙幣を手渡すんだ。
君の体温が手のひらに染み渡る一瞬に、一縷の望みを抱くために。