ライダンのネタバレ注意&メタ的要素注意
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コメントが表示されずに順番前後しますが、たまに返します
執筆してる最中は返せない時もあるので、コメだけ残してアーカイブでサクッと確認するのもオススメです
♡どうもです!
あと50分ってマ? 疲れちったよ。まだやるけど。腰痛い。スタンディングデスクなのに座っちゃってるし立ちます
手動でぐるぐるして高さ調節するの地味にだるいんだよね。六月に引っ越した時には電動のやつにしよう
時が止まった。一通りウマ娘やってまた午後から書きます
少なくとも刻印成功率の期待値は出せた休日明け。眠気を振り切るように朝の走り込みをしている最中に、努は迷宮都市の外壁工事が行われている風景を眺めていた。
もう数年は稼働しているのか歴戦の雰囲気が漂っているシェルクラブが石材を持ち上げ、近くの召喚士が運ぶ位置を口頭で指示している。その上では防衛設備の点検を行っているのか、貴族の私兵団が揃って馬鹿デカい綿棒のようなものを大砲に突っ込んで清掃を行っていた。
(そろそろスタンピードの時期か。前より安定してるって聞いたけど、どうなんだろうな)
探索者が死ぬことのない神のダンジョンにばかり潜ってしまうようになったことで、自然と成立していた外のダンジョンの間引きは何年も行われなくなってしまった。そのことは現場の迷宮制覇隊が警鐘を鳴らしていたものの、それが無視された結果として暴食龍が出現することとなった。
それからは上位の探索者たちが定期的に外のダンジョンのモンスターを討伐することはほぼ義務化され、その後はあのような大規模のスタンピードが起こることはなくなっていた。
それに現状では虫系のモンスターの女王であるミナが迷宮都市の手中にあるため、間引きは更に効率化していた。何せ虫系モンスターの大半は彼女の命令に逆らえないため、モンスターを同士討ちさせることも容易い。女王蜘蛛のようなボス級のモンスターこそ操れないものの、彼女の貢献によってスタンピードによる死人は目に見えて減った。
しかし虫系モンスターがミナの管理下にあるという状況が永遠に続くことなんてあるのか、いつか統率が取れなくなった時に大損害が出るのではないかと懸念する声も多い。とはいえその懸念の声を作り出しているのはアルドレットクロウの一部、ということも事実ではあるようだ。もうあれから五年は経っているだろうが、未だにその傷を抱えている者はいるらしい。
そんなことを考えながら時折自分と同じように外壁付近を走っている少年から初老の人たちを抜き去っていると、後ろから明らかに速い足取りで駆け寄ってくる足音が聞こえてきた。ちらりと様子を窺う間もなく追いついてきた仏頂面の犬人は、べしんと急かすように藍色の大きな尻尾を当ててくる。
「すまん」
「ペース遅ぇとでも言われてるのかと思ったよ」
「……すまん」
「いや、そんなに落ち込まなくても」
どうやらケツを叩かれたのは被害妄想だったようで、単純な事故で尻尾を当てたらしいガルムは汗で濡れた犬耳をしょんぼりと下げていた。そして目に見えて走る速度を下げた彼を見上げながら、努も少しペースを落とす。
「今日は一周差つけようと思ったんだけどなー」
「……時間差でか?」
「今日は随分と遅いね? みたいな感じで」
「そもそも、ツトムは毎日走っていないだろう。忙しいようで何よりだが」
「お陰様で」
刻印油集めに関しては多少協力していたこともあってか努の刻印事情についても知っていたガルムは、段々と成果が出ていることも把握はしているようだった。だが感心はしていないような顔のまま言及する。
「鍛錬を疎かにするのは少し頂けないがな。リーレイアも怒っていた」
「絶対この後追いつかれるよね。それが嫌で早めに出たのに」
「……意地が悪いぞ。何か言いたげにしているのだから、素直に聞いてやれ」
「説明しても中々理解してくれないしなー。結局、結果を示す方が早いっていう。でもガルムはガルムでおかしいけどね」
「何がだ?」
軽く息を整えながら心底不思議そうに首を傾げてきた彼に、努は神妙な面持ちで前を向いたまま走る。
「元々探索者してた人がいきなり一から刻印士になるなんて言い出したら、普通は反対するもんでしょ。それに賛成するような人は、僕に間違った方へ向かってほしいか、心底興味のないような人くらいだよ」
「ツトムなら、大丈夫だろうと思っていた」
「どうだろうねー。本当は興味なかったりして?」
「…………」
「え? マジで?」
言われてみれば確かに、といった顔のまま固まったガルムに努は会話の間を埋めるように突っ込んだ。すると彼は取り敢えず否定するように首を振った。
「同じようなことをリーレイアにも言われたことがあったことを、思い出していただけだ。……確かそれについては、私が考えている間にゼノが答えを出してくれていたな」
「へぇー」
「あいつはツトムの言っていたことに納得はしていなかったようだが、一種の賭け、というと聞こえが悪いな……。ともかく、ツトムに対して私財を投げ打つ価値はあると判断した。そのことをリーレイアに腰を据えて事細かに伝え、彼女もそれで一応は理解を示したようだった。それで話は流れたからそれで良かったと思っていたが、興味がないからこそ何も言わない、と言われるとゼノのような反論をすることは難しいかもしれん」
「……なるほど?」
そう肯定したはいいが、いまいち納得していなかった努は言葉を重ねる。
「えーっと、それじゃあガルムは僕が何をしようと興味が湧かないってこと?」
「ツトムなら何をしても上手くやるだろう。私が口を出さずともな」
「あのー、それは信頼しているからこそ、っていうことでいいんだよね?」
「……実は間違った方向に向かってほしいのやもしれんな。そうすれば私が再び無限の輪のクランリーダーに返り咲くことができる」
「それなら今すぐクランリーダー譲りますけど?」
「…………」
「おい、待て」
そう提案するや否や知らんぷりでもするように走り去ろうとしたガルムに努は何とか食らいつく。
「私はクランメンバーの一人という立場の方が性に合っている。冗談でも止めてくれ」
「でもドーレン工房の人はガルムの方が良かったって言ってたよ?」
「……誰だ? そいつは」
「いや、名前までは言わないでおくけど」
「ふん、ならそれはツトムの妄想に他ならんな」
「僕以外にも証人はいるけどね」
「何処のどいつだ?」
「言わないけど」
久々にそんな軽口を交わしながら緩めに走っていると、先ほどと同様明らかに一般人ではないペースで走ってくる足音が聞こえてきた。それに犬耳をひょこひょこと動かして反応したガルムは問い詰め顔のまま口を開く。
「今となっては最早探索者の常識にまでなっているが、五年ほど前のタンク職は頑丈な荷物持ちが精々だった。だがその常識が塗り替わるのを私は当事者として見ている。だからこそツトムが帰ってきて早々に妙なことをしていると思いはしても、またあの日のように塗り替えるのだろうと信じていた。……あの時に、そう答えてやるべきだったのだろうな」
「妙なことして悪かったね」
「だが、リーレイアも悪意を持ってツトムの行動を批判しているわけではない。むしろ私なんかより真剣にツトムのことを考えているようにも思える。正直私は、リーレイアに疑問をぶつけられなければ考えもしなかった」
「……うん。確かにそう言われると難しいね。全肯定のガルムと全否定のリーレイア。どっちの言うことを聞いても僕としては駄目になりそう」
「……そうかもしれんな」
「逆に三人なら中和していい感じになるんじゃない?」
「断る。リーレイアの言い分も聞いてやれ」
そう言うや否やガルムは地面を蹴り出してヘイストでも付与しているのかという速さで走り去っていった。いっそのことスキルをフル活用して追いつこうかとも思ったが、まるで順番待ちでもしていたかのように彼女はすぐに並んできた。
「おはようございます」
「……おはようございまーす」
校門で荷物チェックをしている先生にでも挨拶するような声色で、努は涼しい顔をしているリーレイアにそう返した。そんな彼女はもう個人の判別もつかないほど距離が離れているガルムを見て皮肉げに鼻を鳴らす。
「」