サマイチのネタを考える 
やめろと声を上げる間もなくキスをされて、一郎は左馬刻の胸をどんと押した。びくともしない体幹が恐ろしい。早くこの男から離れないと。そう思っているうちに酒と煙草の匂いが強くなる。舌が入り込んできて、一郎の口の中を好き勝手に動き回り始める。こうなるともう駄目だ。ん、とか、う、とか、意味をなさない母音がだらしなく開いた口の奥から押し出されるみたいに漏れて、それで。
酸欠か快感ーーたぶんどちらもだーーでふらりとよろけてしまう。宙をさまよいかけた腕を取られて、ぐいと引き寄せられた。
「…………へばってんじゃねえよ」こんくらいで、と左馬刻が馬鹿にしたように言う。そのまま後ろに押し倒されればもう、あとはそのままだ。
やめろ、と言う自分の声も快感にまみれていて、一郎は悔しくて唇を噛んだ。 
左馬刻とは別に付き合っているわけではない。
最初の引き金はあっちから引いた。イケブクロで酔い潰れたヤクザみたいなのがいる、と警察ではなく自分のところに連絡が来たのがきっかけだ。なんで俺が飲み屋のケツ持ちを、と思いながらも車を走らせ、指定された店にいくと見事に知り合いだった。ヤクザみたいではなく本職で本物である。しかも若頭。護衛もつけずにこんな敵地のど真ん中で酔いつぶれていい男ではないのだ。昔なら「しょーがねーな左馬刻さんは」で済ませていたが今は違う。格好悪いところを見るたびに普通に嫌悪感が募っていくだけだ。
「あのうなんで俺に連絡を?」と一応訊ねてみると、バーで閉店作業をしている男は、カウンターの上に放り出されたスマホを指差した。
「直近であなたに連絡をかけていたので」
そうだけど。そりゃそうだけど、と一郎は頭をかきむしりたくなった。
「揺すっても声かけても起きないしどうしたものかと思ってたんですよ。でも来たのがあなたでよかった」と言いながら、男は一郎に伝票を見せた。
「なんですかそれ」「伝票です」
そんなことは分かっている。払えってのか? 俺に? この男の飲み代を? 絶対に嫌だ。一郎は左馬刻の服にて手を突っ込んで財布を探した。だいたいいつもは尻ポケットに入れているが、今日はスラックスの左側にあった。 ねむいのでねます またこんど
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サマイチのネタを考える
初公開日: 2021年03月18日
最終更新日: 2021年03月18日
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