「……タマ、最近眠れてないのかなぁ。猫って不眠症になるんです?」
「生憎私は狐なのでわからないよ。でも、最近彼の制作が滞っているとは少し聞いたがね」
「制作って……絵のことですか?」
「なんでも『凍凪杯』に向けての執筆をしているとか聞いたけれど」
「あー……」
 どこかで聞いたことのあるワードだなぁと考えて……数秒をかけて思い出した。
「たしかタマがアイリスくんと決着をつけようって言われたんだっけ」
「そんな喧嘩みたいな話になったのかい? 猫ってのはわからないねぇ」
「はぁ……なんでも互いにライバル視をしているみたいで。絶対に負けるわけにはいかないって気負いすぎて夢中になりすぎてるのかなぁ」
「いいことじゃないか。タマくんは社内のイラスト講座にも出席しているようだし、前向きであることが伝わってくるよ」
 私が営業部に入った上に社員寮を利用するようになったので、それまで同じアパートの一室から出社していた生活がガラリと変わった。社員寮は男子寮、女子寮、パートナー寮とあるのだが結婚済み、或いは交際していて将来的に同棲することを目的としたふたりはパートナー寮に入寮ができる。しかし、付き合っていない私達に関してはそれぞれ男子寮と女子寮に部屋を充てがわれることになった。
 部屋が別々になってから生活もがらりと変わり、タマとは結構すれ違いになっていたような気がする。
 あまりタマは私の仕事内容に口を出してこなかったし、私も絵のことを口出しするのはよくないと思っていたからそれ以外のどうでもいいくだらない話ばかりをしていた。
 イラスト講座……そんなものがあることも知らなかったし、タマ眠らずに制作に勤しんでいること知らなかった。
「寝ないで絵描くなんてちょっと心配になりますね」
「なぁに、彼も絵描きのひとりならそれ相応の根性も持ち合わせているはずさ。心配することはないよ。少し休めばまた元気になるさ。彼は若いしね?」
 ノーべはそう言って笑うが、実際にアイリスとタマが遭遇したシーンに立ち会っていた私はただならぬ雰囲気を感じ取っていただけに心配になる。
 あんまり根詰めすぎないといいけれどなぁ……。
 *
 結局その日の夜は私の上がり時間である20時頃にタマが復活したので、仕事を引き継いで帰ることにした。
 夕飯は社食でさっとピラフを食べて、女子寮の自室に帰るとシャワーを浴びてから髪を乾かし、習慣であるストレッチをゆっくりとしてから布団に入って眠った。
 翌朝も気持ちよく目覚め、支度を整えてスーツに着替えて営業部に出社すると――
「おはよう。今日から俺の仕事を引き継いでもらいたい」
 やなゆーに早速呼び止められ、目を丸くした。
「あ、わかりました」
「とりあえず朝礼は受けてからな」
 八時半きっかりに始まる朝礼は
 
カット
Latest / 41:33
カットモードOFF
06:47
ゆうすけ
チャットコメントもお気軽にどうぞ
08:35
ななし@076d89
執筆ファイトです!
08:52
ゆうすけ
ありがとう~!
15:14
ゆうすけ
ちょっとタバコ吸ってきます
20:10
ゆうすけ
戻ったので再開します
チャットコメント
文字サイズ
向き
チャットコメント通知
執筆環境ライブ
初公開日: 2021年03月09日
最終更新日: 2021年03月09日
ブックマーク
スキ!
コメント
カフェで作業しているのを無音で配信するだけです。