拝啓、ネフィン・オリードさんへ
こうやってペンを持っている今は、リピテシアの夜の前夜です。つまり、コンサートは終わりました。今、とても充足した気持ちです。まさか、僕があんなに大きな舞台で、素晴らしいオーケストラに囲まれて演奏できる日が来るなんて想像もしていませんでした。全ては貴女のおかげです。本当にありがとう。
しかし、困りましたね。全てが満ち足りた気持ちで、あまりにも幸せなせいで逆に何を書けばいいかわからないです。何を書こう……。支離滅裂な内容になってしまったらすみません。
最初に必ず書いておきたいことを書いておきます。この手紙を見ているということは、僕はきちんと仕事をやり遂げたということですね。そして、この手紙を見ている世界に僕はもう居ないということでしょう。
それは「リピテシアの夜」を預言者が告げたその瞬間に決められた運命なのです。泣かないでください。顔を上げて、貴女は貴女の信じる道を進んで下さい。
もう一つ、貴女に必ず伝えておきたい事を書かせて下さい。
本当は、僕は死にたくなかったのです。
* * *
預言者が「リピシデシアの夜」の再来を告げたのはあまりにも突然であった。アタシはその一報を訓練中に聞いた。
「何でそんな重要な事を今の今に報告するの!?」
「すみません! 預言者がたった今『予言』を発表したので……」
それまでの訓練を全て切り上げ、一報を報告した部下と一緒に王宮へと向かって翼を広げる。訓練が行われていたのはラプネシアの山間部であり、