美術館廊下・夜
立元「有希くん、真面目だね」
有希「そ、そう?」
美術館会議室・
立元「もうあれから10年かー」
有希「あっという間ですね」
立元「うん」
二人、
立元「君は苦戦したっていうけど、私だってそうだったよ。きっと君だけじゃない。みんな考えてる」
有希「いろんな人と出会えて、成長できた様な気がします」
羽垣、朱音が運転する車に乗っている。
朱音「よかったの? 結果聞かなくて」
羽垣「いいんです」
有希「ありがとーー!! 言葉、言えたよ!」
羽垣「お疲れ。頑張ったじゃん。おじさんの割には」
有希「おじさんていうな(笑顔)…ありがとう」
有希宅
時計は月曜日と表示している。
有希、布団に潜って紙をペラペラとめくっている。
「何も言えないで、その日は別れた。明日から、なんでもない日々が始まる。二度目の春だ」
有希は少し微笑んで「まだまだだな」と呟く。表紙に戻すと、『平成〇〇年合同誌』と書かれている。
家に散らばっていた書類はすっかり片付いている。コーヒー牛乳を飲み、カバンを背負う。
玄関・中
靴を履いてドアノブを閉めようとした時に、何かを思い出して部屋に戻る有希。
有希宅
テーブルに置かれた手紙を封筒に入れ、カバンに仕舞う。
玄関・中
立ち止まり、小さく「行ってきます」と声を出す有希。
手紙(羽垣)M「拝啓 有希様。お久しぶりです。立元です。文章は全くわからないですが、
手紙(有希)M「拝復 立元様。硬いですよね。今度、もう一度御宅のライター社に依頼する機会があります。私としては、もう一度有希さんにお願いしたいです。その時まで、しっかり考えていきますね」
立元「わかりました。それじゃあ、こことここのイラストを…」
と、新しい活動について話し合っている。