「どうする?!」
「追ってくる可能性が高いからとりあえず人混みの中に逃げる!」
「人混みの中に入れば死ぬ可能性あるけど?!」
「アカリに狙われるよりかは生きる可能性が高い!」
現在、L地域とG地域の境目に来ている。
周りには口掛けのビル群が並び、地面には草の一つも生えていない。
走れば舞う砂ホコリが、俺らだけだと伝えているようだ。
走り始めてからは3,4分経っただろうか。
後ろから人が来る気配はない。
俺はステータスの関係で、少し緩めに走っている。
点心さんは俺よりレベルが高いとはいえ、SPDにはあまりステータスを振っていない。
そのため、正直な話アカリがSPDに振っているステータスであれば、追いつかれても不思議ではない。
そんな違和感を感じながら、G地域に突入した。
「一応ここらへんで止まっておこ……」
アカリのことがよほど怖いのか、人混みに突入したがっている点心さんを呼び止めようとした瞬間。
【イベント発生】
目の前に急にウィンドウが出現する。
いきなりの出現に驚いたが、予想できたことであり、即座にもう一つ表示されたウィンドウを読む。
【全参加者の内、10分の1の脱落を確認いたしました】
結構早いな。
やはりあの初手リーダー殺しのおかげで、リーダー結構な被害が出たのか。
【そのため規定イベント『蘇る囚人(サモン・デッド)』を開始いたします】
蘇る囚人、なのにサモン?
英語の意味があっていないな、なんてことを考えていると、すぐ近くでボシュ、という音が聞こえた。
なんの音だ? とそちらの方を向いてみると、そこにいたのは、
【現在脱落しているプレイヤーを一時的に復活させます。
復活したプレイヤーはイベントでのネームタグの隠蔽、フェイスノイズを解除いたします】
端正な顔立ちと、騎士を彷彿とさせる鎧。
たなびく金髪は、さぞ女子を虜にするのではなかろうか。
しかし、目の前のプレイヤーの肌の色は、灰色。
まるでゾンビを彷彿とさせる色だ。
【復活プレイヤーは、3時間に再度死亡いたします。
その間に再度の死亡がなく、2名以上のプレイヤーキルが認められれば、再度死亡を取り消しいたします。
つまり、だ。
これは序盤即死に対する救済イベント。
出現は……プレイヤーの付近、かな。
現在いるのはG地域。
戦火が強いのはFとGの間だ。
そのため、ぱっと見る限り、周辺にプレイヤーはいない。
それを狙ったかのようにすぐ近くに現れた脱落プレイヤー(ゾンビ)。
確証はないが、可能性は高い。
「やぁ、はじめまして」
点心さんと俺は、動きを止める。
ここでF地域の方に動けば、まずい。
もしも本当にプレイヤーの近くにゾンビが出現するならば、先程見た戦火より大きな戦いがF地域の方では行われている。
そんな中をこの眼の前のプレイヤーを連れていけるのだろうか。
「申し訳ないけど、僕はここで生き残らないといけないんだ」
目の前のゾンビは、その木自然とした装備にふさわしい、大きな剣を背中から抜く。
大きな剣だ。
光り輝くその剣を、両手でしっかりと構えた眼の前の男は、
「僕の名はセイバー」
名を名乗る。
俺は心の底から思う。
「参る」
なんで死んだと。
前話→ゲーム内イベントの最中で落下死を防いだ。きあいのタスキを使った。逃走中
同時作業になどどうでしょうか。
コメントは気づけば返すのでよろしくお願いいたします。