プロローグ
地獄。一言で表すなら、そんな日々だった。
 社会性動物の性。知能性生物の咎。人間讃歌の行末がここなのだとしたら、私が折れたのは正解だったのだろう。
 身の回りの全てが、自分に敵意を向けているのを肌でビリビリと感じる。その敵意は決して気のせいなどではなく、いつからか実害を持って私を襲った。俗的に、端的にいうなら、いじめというやつだ。
 きっかけというきっかけは、なかったんじゃないかと思う。自分を上げるわけでも、周りを下げるわけでもないが、お互いに幼かった。多分それだけの話。彼らは彼らで、自己の承認欲求を満たすので精一杯だったのだろうし、変に逆張りしようとした私も私だったのだろう。クラスに馴染むことを良しとせず、かと言って人との交流を断つわけでもない。いわば能動的な沈黙とも言えるこの態度が、彼らの神経を逆撫でしたというのも、今は理解できないでもない。
 しかしながら、世の中には取り返しのつかないことがある。
 壊れたものは元に戻らないし、腐った食材はもう食べられないし、濡れた紙はもう使えないし、
 失われた命は、もう戻らない。
 奇妙なくらいに暑くない夏。僕は例年通り、近所の図書館に足を運んでいた。もう六年近く続けている習慣だ。週末には必ず図書館に行く。特に目的があるわけじゃない。図書館に着いたあとは、本を読んだり、課題をやったり、勉強をしたり、ゲームをしたり。図書館に行った後の行動は様々だった。
 
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初公開日: 2020年11月15日
最終更新日: 2020年11月15日
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