「落とさなかったか?」
言われて振り返れば、よくよく見ている名刺入れ。
と、知らない顔――か?
「…あァ、悪い、ありがと、う?」
意識を過去に向けながら伸ばした手を逆に掴まれ、
金色の鋭い瞳と視線がかちあった。
「…このあと、時間は?」
ない、と言おうとしたのだが、
目を逸らすことができなかった。
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