自分じゃどうなってるのかわからないやーん!!!
人から見えてるのか知りたい
チャットどうやんねん、くそ。
暗く、冷たく、寂しい場所。そんな場所が好きだと思った。別にそれが悪だと指差すような人間はいなかったから、自然と隅に腰を下ろす。誰も気にしなくていい、そばにいなくていい。だって、それを自分は求めていないから。
こんこん。扉を叩く音が部屋に響いた。
「ドライさん、いますか?」
間のぬけた声が僕を呼ぶ。暗い、冷たい、寂しい場所へ手を伸ばすように、日向が差し込む。
「……勝手に扉を開けるなら、もう声かける必要ないと思うんだけど」
「はっ! ……た、たしかに」
「指摘されてから気づくなよ。……で、なあに」
手を止めてペンを置いて顔を上げると、彼女はぱああと分かりやすく顔を綻ばせる。それが見たくて、わざと僕はそっけない態度をとる。
「おやつにしましょう! キッチンに他国のパティシエさんが来ていたんです! それでどうしたら美味しくなりますかとか、どうやったら膨らみますかとかお話をしている間にお手伝いをして頂きまして。……ふふっ、これはですね、いつもよりもとっても美味しいはずです!」
自信満々に手に持った籠を突き出してくる彼女の単純さに半ば呆れつつ、僕は腰を上げた。
「じゃあ隣の部屋から珈琲淹れてくるからそこに座って準備してて」
僕たちの定位置のソファを指差して、いつも通りの日常が始まった。そう、いつだって僕の始まりはお前なんだ。そう自覚して、暗かったはずの、冷たかったはずの、寂しかったはずの部屋があたたかいものに満ちているのを肌で感じ、僕は彼女に気づかれないようにめいっぱい息を吸った