(ここに良さげなタイトル)
メモ
大概にしたまえよクロエ君
(他の事もしてるので止まってたら察して)(急に終わるかもしれない)
本文
 長い意識の断絶から、現世に戻って来た。今日も変な夢を見た気がする。同志にしょうもない理由で催しの同伴を断られる夢。ちくしょうめ。
「ぽーん! おはようございますドクター・ユニ、只今の時刻は──暗いからたぶん夜、天気は……暗いから分かりません!」
 覚束無かった意識が鮮明になって行く途中、ぼくが作ったゴーレムである所のロゼッタがぽんこぽんこと喚く。
「……。いらぬ報告をありがとうロゼッタ、おはよう」
 騒音を、意識を立て直す為の道具として使いつつ。ぼくは身体を起こす、と。
 ふわり。
 ぼくの身体に掛けられていた、毛布が音も立てずソファの下へと落ちた。
「──はて」
 毛布? そんなもの、ぼくは使っていただろうか。自分の熱が未だ残る毛布を拾い上げ記憶の糸を辿るが、心当たりはなかった。
 眠る前。ぼくは本を読んでいた。夜を徹して尚、書を繰る手を止めず。日が天に昇る頃、対照的にぼくの意識は深い闇の底へと落ちていった。覚えてるのはそこまでだ。端的に換言すると寝落ち。毛布を被ろうなんて意識を持ち合わせているはずが無かったのだが。
 それでも、毛布はぼくの上から滑り落ちた。つまり、誰かがこの象牙の塔に訪れて、おねむのユニちゃんに毛布を掛けたという事になる。いったい誰が。愛くるしいぼくの寝姿に毛布を掛けてくれるような輩がぼくの知り合いにいただろうか。
「クロエ君だろうなあ」
 真っ先に浮かんだ顔がそれだった。
 そもそもとしてぼくには青春を共にする友人が少ないのである。選択肢が自ずと限られてくる訳で。その中で、こういう気の利いた事をしてくれる人物と言えば、顔の怖いあの後輩しかいないのである。クロエ君は長女であり、家では年の離れた弟達の面倒をよく見ているそうだ。本人も言っていたし、同志も彼女が弟達から慕われているのをよく知っているそうだ。……同志は何故それを知っている? 家にお呼ばれとかしてるの?
 いやそれはいい。どうでも。少なくとも今は。クロエ君が此処に来たという事は、ぼくに何か用事でもあったのだろうか。窓から外を見ると、すっかり暗くなっている。ロゼッタも言ってた通りどうやら夜らしかった。昼の間ずっと眠りこけていたようだった。授業を免除されている立場故それは些細な問題に過ぎないが、クロエ君に連絡するのは気の引ける時間帯だった。
「ふああ」
 欠伸をしつつ、拙い動きで毛布を畳む。その過程で、この毛布が見覚えの無い柄だった様な気がした。どこから持ってきたんだろうこれ。
カット
Latest / 43:02
カットモードOFF
文字サイズ
向き
チャットコメント通知
ぷりこね
初公開日: 2020年08月23日
最終更新日: 2020年08月23日
ブックマーク
スキ!
コメント
昼夜逆転ユニ先輩と世話焼きクロエ先輩