21時に開け、22時までに終わらせる予定です。
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https://txtlive.net/lr/1598173008403/w1598173008778本日のテーマ「柘榴」
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これリンク貼れないの結構不便ね
いつものごとく全裸です。いや、今パンツはいてる。
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(ふぁぁぁ……怖い怖い怖い……)
小さくブルブル震えながら、イデアは縮こまる。
目立ちたくないし、出来ればエアー扱いというか、本当に、空気として生きていきたい……と祈っているのに、悲しいことにイデアは比較的長身なほうだし、髪の存在感が如何ともしがたい。
目立つ容姿なのは自覚しているが、望んでこの容姿なのでもない。
なので、出来る限り行動の方を絞って目立たないように目立たないようにしているのだ。
なりたくは無かったけれど寮長になってしまった、が、他の寮長たちがきらっきらのぎらっぎらで目立ちまくりなので、イデアの方にはお鉢は回ってこない……筈だったというかなんというか。
それが何処をどう間違えたのか、キラキラのギラギラの目立ちまくりの寮長の一人、アズールとお付き合いをするという事態に至ったのだから人生は不思議すぎる。
いや、目立たぬオタクキャラは飛び切り目立つ美少女キャラとひょんなきっかけで知り合って、そのまま付き合うことになる……という、それ何処のライトノベル? みたいな、セオリーではあるのだが。
そんなモノローグを自分の中でぐるぐる回していると、ひょこっと、と表現するのが正しい仕草でフロイドが覗き込んできた。
「ホタルイカ先輩、はいこれ」
そして、目の前になんだかシャレオツなプレートカフェ飯、を置いてくれる。
「は、はいこれとは……」
「アズールの奢りぃ。まだ時間かかるからホタルイカ先輩にご飯食べさせてって」
「奢りとな……」
とても信じられないワードではあるのだが、嘘ではないだろう、多分。
モストロラウンジの面々は、うっかり弱みを見せたなら骨の髄までしゃぶりつくす、という所があるのは事実だが、嘘はつかない。というか、多分、イデアに対してつく理由がない。何の得もないからだろう。
本日お呼び出しされ、待っていてくださいと言われて置いていかれ、しばらく。
陽キャの集まりでしょ、おしゃれなカッフェーなんて! とガクブルしながら待っていたら、突然降ってわいてくるウツボの親切……。
思わずプレートを見つめた。
白いこじゃれた皿の上に、ちょこちょこと乗っかっているバターライス……の隣に……謎の……赤いウィンナーらしい……何か……。
下を切ったウィンナー……だと思う、が。
「どしたの、ホタルイカ先輩も好き嫌いしちゃいけませんって言われるやつ?」
当たり前みたいにフロイドに向いの席に座られた。
「え、いや、別に、多分嫌いなものは……ないというか……」
それこそ新鮮な魚介などが乗っていたらどうしようかと思うのだが、幸い、見た感じは『お子様ランチ』といった雰囲気だ。
「この柘榴の花みたいなの何だろうと……」
なので恐る恐る、その赤いものを指さして聞いてみる。
フロイドはきょとんと瞬いた。
「タコちゃんだよー、ホタルイカ先輩、アズールのこと好きでしょ?」
「ファッ!?」
予想外のことを言われて、思わず変なところから声が出た。
「アズールのこと好きならタコに切ったら喜ぶかと思ったんだけどぉ?」
「好き!? 好き、嫌いでは、いや!?」
バレているのか!?
いやいや、アズールがそんな軽率に喋るわけがない。
これは、付き合っていると言ってしまえば、バレてしまえば後で凄く揉めるやつ、そうに違いない、拙者はただいま破滅フラグを回避した、じゃないない、回避できてない、嫌いって言ってもまずいだろうし、いやここに呼び出されて来ていて嫌いはないわな、嫌いは!!!
(どどど、ど、どうしよう、なんて答える!?)
「ぶ、部活の後輩ですし、好意的ではありますな!!!」
「知ってる。ていうか声おっきいから」
怒られる、と言われ、ハッとする。こんな大きな幼児に言われるようなことをしてしまった。
「だからタコちゃんの形にちゃんと切ったの、オレが」
「オレが……? え!?」
「なぁに驚いてんの、それぐらい出来るし。ジェイドの方が上手いけど。ていうかアズールも出来るし。ここにそんなことも出来ねぇ雑魚とかいねぇし」
「マジですか……」
ということは、今この空間に『出来ねぇ雑魚』なのはイデアだけという事になる。もちろん客にはいるだろうが、お金を払っていない以上、イデアは客ではないだろう。
そういえばアズールが持ってきたサンドイッチとか、美味しかったな……などと思っていると、ねぇねぇ、とフロイドは身を乗り出して来た。
「ホタルイカ先輩、アズールんちがレストランやってんのって知ってる?」
「え、いや、ほとんどそういう話はしないから……」
ああ、だからこういう、飲食物を扱う店を経営する、ということに情熱を見せるのか……と今更思った。
アズールのそういう情熱は嫌いではないというか、目を爛々とさせているアズールには可愛いとすら思う。
容赦のない、頭の回転が速い、そんな恋人がイデアの前ではあんな感じやこんな感じになるというのは大変、大っ変、気分が良い。
「ふぅん。思ってたより何も知らないんだ?」
「あ、ハイ……」
なので、多分今のはマウント、というやつを取られたのかもしれないけれど、あまり気にならないというか、そうですね……という。
さてこの、目の前のプレートですが、食べるべき、なんだろうか。
アズールが出せと言ったのだから食べていいのだろうけれど、フロイドの給仕というのが大変に不安をあおる。
しかしながら食べないで帰ったらそれはそれでどんな報復があるものか。
悩んでいると足音がする。振り返ると、待っていた人が近づいてきた。
「フロイド……」
歩み寄ったアズールが、苦い声を出しながら、当たり前のようにイデアの隣に座ってきた。
まぁ、席の作り的にそうなるしかないというか、それでもフロイドの隣に座ると思っていたので若干驚く。
「何ですかこれは」
アズールはちょっと苦い顔をしながら、先ほどイデアが不思議がったウィンナーを指さした。
「タコちゃん」
フロイドは悪びれもせず即答する。アズールは苦笑した。
「そういう盛り付けにするはずじゃないんですが」
「え、そうなの?」
さすがにちょっと驚いて隣のアズールを見てしまった。アズールは淡々と、
「手間でしょう。いちいちこれで提供していれば、コストがかかります」
「デスヨネー……」
にべもないな……と思う。まぁこういう男だ。
「ホタルイカ先輩だから特別~」
「遊んだんですね……まったく」
「でもわかんなかったんだよねー?」
フロイドに同意を求められて、とりあえず頷く。
アズールはぱちぱちと瞬いた。意外だったようだ。
「そうなんですか?」
「え、うん……これ、タコなんだね……」
「それ以外の何の形に見えるんですか?」
「柘榴の花……」
「そっちの方がよっぽど思いつかなくね? オレ知らねーんだけど?」
フロイドが首を傾げるのは仕方ないと思う。
彼らが海の生き物だから、というよりも、陸の生き物でも『柘榴が成っている』所をよく見ている人でなければ、とっさに思いついたりはしない。
柘榴。
自分が口にするものとしては、不穏な単語だっただろう。
有名な神話を、物知りの彼が知らないとは思えない。
フロイドが知らなかったとしても、アズールは色々と地上のことに詳しいと思うし、調べているだろうから、だから、イデアの口から『柘榴』という言葉はきっと不穏な響きを持って耳に届いた筈だ。
そう思っていると、アズールはタコの形のウィンナーをフォークで刺し、イデアの鼻先に突き付けてきた。
食べろ、という圧を感じて思わず口を開いてしまう。
口に入れて咀嚼すると、なるほど確かに、ウィンナーだ。
アズールの唐突な謎の行動に甘い空気など感じず、どちらかと言えば怯えて食べてしまったのだが、アズールはイデアが食べたのを確認するとにっこりと笑った。
「これで一年のうち一か月は一緒ですか?」
やっぱり知っている。
そしてそれを『怖い』と思うどころか、まさかの。
「……全部食べます」
慎重に返した。これはちょっとした口説き文句だ。絶対に、無下に出来ない。
「それがいいですよ。あなたの食生活は見ていられませんからね」
もう一つ? と目の前に差し出されて、自分で食べます……と応える。
お替り要ったら言ってね~とフロイドは何もないように立ち上がったが、アズールには無理やりもう一口、口に入れられてしまった。
◆おまけ◆
キッチンに戻ると、ジェイドがワクワクした調子で――これはフロイドにしかわからない――フロイドを待っていた。
「お帰りなさい。ちゃんと期待通りでしたか?」
「んーん、最初は伝わんなかった」
「おやおや」
ではお茶でも淹れてあげましょう、と、ジェイドはお湯を沸かし始める。
「んでも、アズールと居るとホントおもしれー」
「どうかしましたか?」
「だって、アレでバレてないと思ってるんだし」
「ああ、そうですね、退屈しないです」
そう言いながらさらさらと流れる手つきでジェイドがお茶を淹れるのを見る。
別に特別に好きなんかではないのだけれど、その手順をするジェイドを眺めるのが好きだ。
「海、好きだけど時々つまんなかったんだよね……」
おやつもあるんだ。と、冷蔵庫を開けるジェイドを眺めながら思う。
まぁこれはフロイドをだしにして食べるつもりなのだろう。今日のアズールはおそらく何一つ文句を言わないから。
「フロイドが楽しそうで何よりですよ」
「うん、楽しい」
可愛いプリンが出てきた。
試食しましょう、という言い訳とともに。
勿論、紅茶のカップも一緒に。
「アズールは三か月で返したりしないと思うんだよね~」
「イデアさんのことですか?」
「そう。そんなタマじゃねーじゃん?」
なるほどこれはこっそり食べるのに美味しい。スプーンから口にうつしながら、フロイドは思う。
多分、あのプレートの上のものは全て綺麗に食べられて洗い場に返ってくるだろう。
アズールは殊勝に柘榴を手渡すだけなんてことで満足しない。黄泉の国の伝説の王様ほど優しくはない。
(黄泉の国~とか言って、自分の方が呪われてる側~とか思ってそーだけど)
アズールは提供したものをイデアが食べ切るまで、絶対に離したりはしないだろう。
◆おわり
どーなることかとおもた。
待ってWi-Fiがおちたwwwwwww
物理的に手にコード引っ掛けてすっ飛ばしたwwww