こんにちは、月白です。
つかささん、むぎちゃさんのリレー企画で、蓮子さんからバトンを頂いたのでやってみます。
書く内容とか何も考えてなさ過ぎて間延びしそうだから、本文を書き始めて30分の時間制限を設けようと思います。
文字書きが、どのくらいの時間でお話書いているか(いるかは知らんけど)気になる方いらっしゃるかな、って。
今回頂いたのは
9.月下美人「密やかな」「一夜限り」「誘う」の言葉をSWで書こうと思います。
すごく素敵なお題だけど、生かせるかは謎です。
密会ぽい感じですね…ですが、年齢制限設定していないので全年齢…うーん。どうしようかな…
誘う…誘う…、あ、ワルツに誘うSWちゃんとか可愛いかも?
一夜限り、二人がお互いの肩書を忘れて満月の下でワルツを踊る…うん、この方向性で書こうと思います。
では、今から30分。お付き合いくださいませ。
本文
 夜のロンドンを優しく照らす月光。今宵は満月、蒼白い仄かな光が夜の闇に潜んだとある二人のスポットライト。観客は誰もいない。存在するのは互いのみ。月明りに照らされたシルクの金糸と癖のある月夜の空を纏めた黒が俗世から逃れるようにならんでいた。
 その二人の名は、ウィリアム・ジェームズ・モリアーティとシャーロック・ホームズ。犯罪卿と探偵の名を今だけは捨てて、こうしてロンドンの路地裏で密やかな逢瀬を楽しんでいるのだ。
「それにしても、お前から声がかかるなんて珍しいな」
 耳許を流れる美しい金の髪。シャーロックは指先でウィリアムの耳に髪をかけ、ウィリアムの透き通るような肌と同じ色を、それでいて少々赤らんだ耳たぶに触れた。
「…ん、偶には良いでしょう?」
「偶に、じゃなくても良いんだぜ?」
 揶揄うようにシャーロックが喉の奥で笑う。執着しているウィリアムからの誘いに、彼も心底嬉しくて堪らない感情を胸の底に沈めているのだ。隠し切れているかは不明だが。
「ふふっ、偶に、だから良いのでしょう?毎度あなたに甘える私などゾッとします」
「…ベッドの中ではいつも甘えてくるのに?」
 鋭い緋がシャーロックを貫いた。
「あなたこそ、私に会えば情けなく情事に耽ろうとする。随分節操がないように見受けられますが?」
 怒りを見せたのはごく一瞬。直ぐにいつもの調子を取り戻したウィリアムは、怪しく微笑みシャーロックを揶揄する。
 ウィリアムの細く、長いしなやかな指がシャーロックの顎を掴んで撫でた。そのまま、首の筋をなぞりいつも露わになっている鎖骨に触れた。ピクリ、とシャーロックの肩が跳ねる。
「ほら、もうその気になっているでしょう?」
 パッと手を離したウィリアムが、悪戯が成功した子どもの様に無邪気に笑った。煽られるだけ、煽られたシャーロックは欠片も笑えないが、ウィリアムが楽しそうなのでひとつため息を吐いて髪を掻き毟った。
「あー、はいはい。俺はリアムに惚れてますよ…ったく」
 気を紛らわせる為に、煙草を咥えて火を灯す。月明りだけだった路地裏に光源がひとつ増えた。オレンジ色が点滅して紫煙がシャーロックとウィリアムに纏わり付いた。
「…ふぅ。で?お前、何で俺を今日呼び出したんだよ」
 特に何か記念日がある訳ではない。ただ、空に浮かぶ月が美しい円を描いているだけ。何でもないただの一日だ。
「何でもない日だからですよ。一夜限りの私のおねだりを聞いてくれませんか?」
 誘う様に差し伸べられたウィリアムの手の平。吸いかけの煙草を地に落として火を踏み消すシャーロック。ウィリアムのいつもと変わらぬ微笑みに、今日がただの日常であると認識すると同時にウィリアムに出会えた今日この日が何でもない日である筈がない。と考えを改めた。
「…俺にとっては何でもなくねぇよ」
「何か言いましたか?」
 口内で消えていったシャーロックの言葉。聞き取れず、問うたウィリアムの身体を乱暴に引き寄せシャーロックは、その唇を奪った。
「ん…ふ、あっ…ホームズ…、シャーロック?」
 (何で、ここで名前を呼ぶんだよ…ったく)
 態々、名前を呼び直したウィリアム。彼は特に意識している訳ではないだろう。だのに、ウィリアムはいつだってシャーロックを魅了する。一度知ってしまえば、二度と手放すことができない。そんな麻薬めいたウィリアムの存在がシャーロックを狂わせ、甘美な毒を貪る様に身体を重ねてしまうのだ。
 だが、今日はウィリアムの願いを叶えてやらなければ、そんな使命に駆られたシャーロックは身体中を駆け巡る熱い欲を必死で沈めてウィリアムの身体を離した。…身体を重ねるのが、シャーロックのみの欲だと彼は勘違いをしている様だが、その誤りを訂正する者はいない。
 
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