今日は紅鶴病院に向かい、目撃証言があった場所へと向かって見るとしよう。
紅鶴病院はかなり大きい病院で多くの科がある。
院内の棟も4つに分かれており、火災が起きて修繕された精神科病棟、紫藤と月光院の父上が入院していた内科病棟、接骨や医療整形外科などがある外科病棟、緊急外来と普通の診察を行うための外来棟となっているのだ。
近くには医師や看護師などの医療スタッフの為の託児所それに地域の高齢化にも対応した特別養護老人ホームもある。
幅広く多くの方に充実した医療を、をモットーにしているとほーむぺーじを見た時に目にした事があるくらいには様々な事業を展開し、馴染みが深い病院となっているのだ。
そのはずなのだが、たどり着いたのは深い森の奥。
これより先は車で通るのはいささか難しい為、降りようと思ったが自分の背丈以上もある木々が己の中にある恐怖心を煽ってくる。
たどり着くのは紫藤が入院していたあの病院な筈がない。
こんな昼間でも薄暗く不気味な場所には無いのだ。
だが、携帯の地図ではこの奥だと示している。何度調べ直してもこの奥だと示す。
ならば、行かねばならないのだろう。
真実を知る手がかりがあるのかも知れないからな。
随分と放置されているようで手入れが少しもされていない獣道を地図通りに進み、目的地を目指す。
しばらく歩き、見えてきたその建物が目に入った時酷く恐ろしく感じた。
見覚えがあるのだ。
当たり前だ。いつも見てきた病院がそこにはそびえ立っていたのだからな。
周囲は草木が覆い茂っているもののそこにあるにしては新しく感じる病院。
一部箇所は火事で焼け落ちているが、火事が起きた時のままになっている。
なら、向かおうとしていた修繕されていると言われていたあの病院はなんなんだ?
別の建物なのか?
とりあえず中を歩けば嫌でも真実を知る事は出来るだろうと思い、ポケットに入れていた小型の懐中電灯を使い中を散策する。
一階の受付と食堂、売店には特に被害は無かったようで火災の跡は特に見当たらない。
二階に上がり、外科病棟内科病棟、外科病棟それに噂の精神科病棟の順で見ていく。
外科病棟だが精神科病棟が近くにあったにも関わらず火災の痕跡が少しもなく、綺麗なままだ。
次に内科病棟だが、紫藤の入院していた部屋からの発火とみて間違いない。
床も一部焼け落ちており、その火の強さを物語っている。
たまたま焼け落ちてはいなかった窓辺の辺りを調べていた時、ペットボトルの破片らしきものをみつけ違和感を覚える。
焼けた様なペットボトルの破片。
ペットボトルそのものが落ちているのならば怖いものみたさの学生達が何らかで知って捨てていったのだと分かるがこれは違う。
この部屋の火災で一緒に燃えた様にみえるのだ。
刑事課にいる訳でも科学捜査班に所属している訳でも無いため詳しくは分からないがそんな気がしてならない。
その欠片をハンカチで包んで月光院の父上が入院していたとされている部屋へと向かった。
その部屋は紫藤の入院していた階の一個上で一番奥にあった。
紫藤の部屋が二階の真ん中らへんだとするのならば、一番右奥の部屋だと言える。
階段は焼け落ちてはいなかった為発火場所は精神科病棟、紫藤の部屋、月光院の父上の部屋の三箇所となるのだが……
分からない事がある。
動機と死因だ。
本当に月光院は火災であの様になったのか……紫藤の言っていた殺されたとはどういう事なのか引っかかって先に進めない。
月光院の父上の部屋にも同じ様にペットボトルの破片が落ちており、拾って一緒に包んだ。
それから色々とみてまわったが特にめぼしいものは他に得られなかった為車に戻って下町へと降りた。
帰り道に念の為三木が働いている神社にお邪魔した所見るからに嫌そうな顔をしながら、お代は要らないから……祓った方が良い気がするんだよね……にゃはは……とよく分からん事を言ってお祓いをしてきたのだ。
お祓いが終わった後三木にあの場所の話を聞いた所、どうやら取り壊す予定の病院やビル、家……等が一時的に置かれそこで壊す為に使われているらしい。
「だから、霊的な物も多くてネ……あまり、行かない方が良いと思うな……」
「そうだな。話してくれてありがとう。助かったぞ。」
それから新しく建てられた方の病院に向かい精神科病棟と紫藤が入院していた病室と月光院の父上が入院していた病室を見に行ったのだ。
ただ1つ気になる点を除いたら、真新しいだけでなんの発見もなく既に知らない誰かが生活している場所に。
その気になる点とは、どこの部屋にもToxicの作品が飾ってある事だ。
作り直される前は寄贈されたからと受付に作品が飾ってあるくらいでここまで染められてはいなかった。
たった数週間で何があったというのだ。
車に戻り、破走君に電話をしてToxicと紅鶴病院との関係をそれとなく聞き出してみると
「そうだな……病院はToxicから多額の支援を」