「進化したミラージュ様を見せてやる、下で待ってるからな。」
 そう言いながらシップから飛んだアイツは、自信満々に両腕を広げて落ちていった。
今までは勝って負けての繰り返しで、ちょうどいいギリギリのスリルと互いの全力をぶつけ合う一瞬一瞬が堪らなかった。
それがどうした、今日、あいつが言った通りミラージュは進化していた。意思を持ったように走り、構え、撃ち、まるで神経の全てを共有しているように動く二人のミラージュはどちらが本物なのかを見極めているような暇なんて無いのに容赦なく襲いかかってくる。
更にそれを見抜いたとしても、更にアイツは増えた。
 鏡の迷宮にでも放り込まれたように、俺を囲み円を描きながら舞う。相変わらずの笑顔は憎らしい程に、イケメンなままだ。
「オクタン、悪いがそう簡単にはもう負けるつもりはないぜ?」
声の方へ振り返った時、纏ったシールドはあっけなくパワーを無くして、弾くものを失った肉の中へ幾つもの熱い塊が入ってくる。
入ってきた熱がすぐに逆流して今度は身体の外に吹き出していく。
「っくそ、何増えてんだ...よ。」
 自分の身体だ、もう立っていられない事ぐらい俺が一番わかってる。でも、わかっていてもまだ自分は動けると思ってる。
いや、動ける。まだ走れる。
俺は、オクタンだ。
「俺は...オクタンだ。」
 興奮剤を胸に突き刺せ。痛みなんか忘れて、真ん丸の視界の中の世界は全部、俺よりも遅い。
握った銃が何だったかももうどうでもいい。デコイだろうが、どうでもいい。全部撃っちまえば消える。
音が自分の身体の後からついてくるような感覚の中で、次々とミラージュが減っていく。減っていくのに、まだ倒せない、まだアイツを倒した手応えがない。
 小さなエアーの音が聞こえて、アドレナリンが途切れていく。
あと少し、あと一秒でも長く。
「そして、俺は、ミラージュだ。」
 最後の一人が弾けたそこから銃口が覗き、その奥にまた同じ顔だ。もう見飽きたぜ、その顔。そう言ってやろうと開いた口からは何も出やしなかった。
「楽しんでくれたか?」
そこで俺の記憶は、吹き飛んだ。
その日を境に、何度も何度も、何回も何回も俺は負けた。何度挑んでも、ミラージュの繰り出してくるデコイを潜り抜ける事が出来ない。
チャンピオンになる日はあった、もちろんだ。
でも、アイツに勝てないと意味がない。負けたっていいが、今の状態は、何か違う。同じ場所で、戦わないと意味がないんだ。
 この心臓のリズムを奪い合うような、戦いをもっと欲しい。
「オクタビオ、今日も俺の勝ちだったな。でも流石だな、そろそろお前もなれてきたか?ここ見ろよ、俺の左腕!骨までお前撃つからさ、今日は腕使えないんだぞ?」
「へえ、そりゃ大変だな。シャワーも一苦労だろうよ。」
「...オクタビオ、どうしたんだよ。」
うーーーーーーーん、迷走してきたので、一度ここでストップします!
違うーーー!!こうじゃない!!もっと爽やかに喧嘩させたいんで
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おやすみミラオクを書こう!
初公開日: 2020年05月15日
最終更新日: 2020年05月15日
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