神妙な顔をして、話したいことがあると言われたら、誰でも身構えるだろう。
今、ヒースにそう言われて場所を変えたいと着いてきた背中は川岸に設置されたベンチで止まり、促されるまま腰掛ける。
良い天気、小鳥もさえずり、雲はすこし流れているだけ、他の人の姿は見えない。
「お話って、なんですか?」
ソフィからそう尋ねた理由は、話があると言った当のヒースが良い天気だとか、作物の実りの話をはじめ、どうも肝心な話を避けているように感じたからだった。
「その……ですね」
聞いてもヒースはまだ言い澱み、これは相当のことなのではないかとソフィは思いはじめた。例えば、自分が大事にしているキッチンの設備や用具を誤って壊したとか。
でも、壊したものは作り直せば済むことである、その破壊と創造の教えを一番信仰しているヒースがそれぐらいでこんなに言い澱むとも思えなかった。
「実は……えっと」
じゃあ、元に戻らないもの。
それなら少し納得がいく、元に戻らない――戻せない。そういえば昨日の夜に仕込んで置いた苺のシロップ漬けを、三時のおやつにワッフルに添えて食べようとしたら保冷箱のどこにもなかったことを思い出す。
何もかけないワッフルを食べるのはかなり残念だった。名前を書いていたわけじゃないし食べないでほしいとも言ってなかったから仕方がないとそのときは諦めたけれど、もしかしたら。
「……私に告白したいことがあるんですか?」
「そ、そうなんですっ……気づいてたん……ですか」
「今、気づきました」
やっぱりそうだったのか、とソフィは溜息をついた。今度からはちゃんと自分の分は取り分けて名前を書いておこう、そうしよう。
「返事、は」
「いいですよ、仕方ないです」
「仕方ない……?」
「食べちゃったもののことをどうこう言っても仕方ないです、美味しく頂いてくれたならそれで構いませんわ」
そう許しの言葉を口にすると、ヒースはん?と首をかしげ、何かに気づいたような顔をしてソフィの顔をじっと見た。
「勘違いしてませんか」
「え、だから、苺のシロップ漬けを全部食べてしまったことの謝罪――」
違います!と割り込んだのは声だけではなく、ヒースの両手がソフィの両手を包むように握る。
「え、えっ、と」
こんな風に手を握られたことなど今まで一度もない、大きくてごつごつしている、畑仕事をしている人の手。
「私は……ソフィ殿が好きだと、告白、したくて」
「こくはく」
「そうです」
ひどい勘違いをしてしまったことに顔から汗が吹き出す。いや、勘違いをしたことが原因でもないだろう、これは、顔が、手が、あつい。
「……返事は」
二度目のその問いに今度は言葉も出せず、ソフィはヒースを見つめ返す。そんな対象に見たことがないと言えたら嘘だ、ずっと同じ場所で背中を預けあってきた人。
ソフィは小さく頷き、もう一度大きく頷く、こぼれ落ちる涙はヒースの指が拭ってくれた。
「さっきはおかしな勘違いして、すみません……」
涙が落ち着いたソフィがそう謝ると、またヒースは口籠った。今度はなんだろうとじっと様子を伺うと、なんだか甘い香りがした気がしてソフィは鼻をぴくりとさせる。
甘い、美味しい、苺の香り。
「すみませんその、苺のシロップ漬け、も、美味しかったです」
疲れたから全部食べてしまったのだと謝るヒースを、許さないなんてことはもちろんないけれど。
「また作るので……今度は、二人で食べましょう」
「はい」
ソフィは反省の表情を浮かべるヒースを見て、自分の推理もそう的外れでもなかったのだなと、くすりと笑った。
おわり。
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告白
初公開日: 2020年05月09日
最終更新日: 2020年05月09日
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ヒスソフィで「告白」
「バニーの手伝いをするソフィとそれを見に来たヒース」
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あひる
お題頭ポン、ヒスソフィ、30分以内
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あひる
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テニヌ幸村夢ワンドロ
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@ ⁰ 天使 ? うん そう 天使
天宮 ぴぅ の 初配信 っ 嵐 トか ぁんち ゃめて − ✖
ぴぅ
2026/07/08
お試してきすとらいぶ。へしあた。
兎喜(とき)