チャリ、と銀色の小さな鍵を手のひらに乗せ、刀也さんがオレに見せてきた。
「刀也さん〜これ、何の鍵?」と聞くと、彼は嬉しそうに「気になります?貞操帯の鍵です」と含みを持った笑いで答えてくる。貞操帯…を何に使うのだろう…と少し黙っていたら刀也さんが「ね、がっくん。僕、ふと思ったんですよ。がっくんはいつも僕を気持ちよくしてくれるし、僕が先にバテちゃっても文句も言わずにやめてくれる。そういう優しいところが好きなんですけど、がっくんはちゃんと、ちゃんと僕の身体で気持ちいのかなぁ、満足できてるのかなぁって思っちゃって…。」と言ってくれた。そんなことを考えてくれる刀也さんは頼もしい、ありがとう、と言おうとしたらーー「だから、がっくんに1週間お預け、というか貞操帯を付けてもらうのでおなにー…とかを我慢してもらって、僕が精一杯がっくんを気持ちよくできるようにしたいなぁ…って」 何を言っているのか一瞬わからなかったが、オレと向き合ってくれているのは確かだ。の優しさに答えられないのは男のプライドが許さない。
「刀也さんがそこまで言ってくれるなら…!!オレも頑張ってみるぜ!」という言葉をよく考えずに返し、刀也さんが「そこ、座ってください」とベッドを指差して言うから素直に従い、柔らかいベッドに勢いよく腰をかける。
引き出しから何かを取り出し、刀也さんが近寄ってくる。そして座っているオレの股の間にすすす、と入るように座ってくる。気を抜いていたので彼の行為が何を意図しているのか理解できず、固まってしまって止められなかった。オレの頭に疑問符が浮かんでいる状態で、刀也さんはそのままオレのベルトの金具をカチャカチャと外し、スラックスのチャックを下ろそうとしたところで「ちょっ、刀也さん!何してんだ?!」と言うことができた。「え〜、何って…がっくん貞操帯の付け方わかんないでしょ?僕、ちゃんとがっくんに怪我させないように勉強してきたので…つけようと…」眉毛をへにゃりと下げて、上目遣いでオレに訴えてくる。普段媚びを売らない彼が、オレに媚びを売るように目を合わせてくる。
うぐ、その表情は狡くないか…… 彼の翡翠の目に負けたオレは、抵抗せずされるがままに刀也さんの行為を眺める。彼はさっきの続きを再開し、スラックスのチャックを下していく。そのまま下着に手をかけ、また一気に下ろすとオレの愚息が顔を出す。触れられるだけで反応しないのは幸いだ。引き出しから出したプラスチック製の貞操帯を手に持ち、そっとオレのソレを筒の中に収める。根元までグッと押し込み、固定し南京錠の鍵を閉める。カチャン、と音が鳴りしっかりと閉まっている事が分かった。プラスチック製だが割りかし丈夫な様だ。ふぅ、と彼が息をもらす。そして刀也さんがオレの股から立ち上がり、「じゃあガッくん、1週間頑張ってくださいね」とオレの頭を愛おしそうに撫でてくる。犬みたいに扱われると多少不服だが、普段彼の頭をよく撫でているからたまには撫でられる側にもなっていいだろう。そんなことを思っていると刀也さんの手が頭から離れたのでオレも立ち上がって下着とスラックスを穿き直す。プラスチックは比較的に軽く、生活に支障はあまり無さそうで安心した。今日は晩ご飯はもう食べたし、風呂にも入ったからヤる事やろう…という気だったのだがこんなのを付けられてしまっては寝るという選択肢以外選べない。などと思っていると「あ、ガクくん。今日はちゃあんと寝ましょうね」と言われてしまった。オレのことをよくわかっている刀也さんは全てお見通しのようだ。
「……わかってますぅ」
「んふ、ソレつけてたら出来ませんけどね。」