知らない場所のはずなのに、どこか懐かしい気がして立ち止まる。ただの桜並木。それも、仕事がなければ訪れることもなかっただろう、長閑な住宅街だ。
「達也様?」
 待たせている車に乗り込もうとして動かなくなった主人に、秘書の兵庫が首を傾げている。なんでもない、と気を取り直して後部座席に身を沈めると、閉まるドアの隙間から桜の花びらが1枚飛び込んできた。
『ーーーー達也くーんっ!』
 記憶の奥底で懐かしい声が甦る。それはさざ波のように繰り返し押し寄せ、達也にひとときの感傷をもたらした。
(……ああ、そうか)
 車窓の向こうに見える桜並木は、どこか高校時代の通学路に似ていたのだ。穏やかな日差しと満開の桜の中で、長い髪がやわらかく揺れる。あの日、大きく手を振りながらやってきたのはーーーー。
 ゆっくりと車が走り出す。遠ざかる桜並木を惜しむように閉ざした視界の中で、いつまでも自分を呼ぶ声だけが響いている。そういえば彼女と最後に会ったのは、もう随分と昔のことだった。
終わり
ありがとうございました!( ゚∀゚)ノ
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向き
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【テスト】STAY.【魔法科たつまゆ】
初公開日: 2020年05月02日
最終更新日: 2020年05月02日
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コメント
テストちう。
診断メーカーで出たお題を使用。
初めの文「知らない場所のはずなのに、どこか懐かしい気がして立ち止まる」
終わりの文「もう随分と昔のことだった」
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