【WANT.】ジルリゼ
 溶けた氷菓が手首を伝う。リゼルはぱちりとひとつ瞬きをすると、スプーンにまだ残っていた氷菓を口に含んだ。多少溶けてしまってはいるが、さっぱりと甘い。このくらいならば、甘い物をあまり好まないジルでも食べられるだろう。
「――――おい」
 現に、テーブルの向かい側に置かれた容器は空になっている。
「はい?」
 返事をすれば、なぜか苦虫を潰したような表情とともに大きなため息が返ってきて、そういえばイレブンもよくこんな顔をしているなと思った。やはり仲間になると似てくるものなのだろう。
「……返事は」
 ジルの視線が手首から伝い落ちた氷菓の名残りをたどっている。その目に宿っているのは、もはや隠すつもりのない情欲で。リゼルはくすりと笑いながら、甘くべたつく利き腕をジルの前へ差し出した。こちらとしても、待て、をした覚えはないのだ。
「いいんだな?」
 そう言うが早いか、ジルの唇が腕に残る氷菓の跡を舐めとっていく。掴まれた手首はぴくりとも動かないのに、痛みは全くない。こういうところが経験の差なのだろうか。
(…………あとで聞いてみよう)
 同性同士では初めてだというのに、答えはイエスしか思い浮かばなかった。
終わり
■ありがとうございました!
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WANT.【休暇ジルリゼ】
初公開日: 2020年06月10日
最終更新日: 2020年06月10日
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コメント
『穏やか貴族の休暇のすすめ。』からジルリゼで書いてみたった。
<診断メーカーのお題>
OP:溶けたアイス(氷菓)が手首を伝う
ED:答えはイエスしか思い浮かばなかった。