とりあえずお題出しやすいように履修ジャンル書いておきます。
twst・コナン・えふご(ガチ勢ではない)・まいるま(15巻ぐらいまで)・鬼滅(本誌勢ではない)・即興でいいなら一次創作でもOKです
リクエストが来るまで自分で出したお題のやつ書きます
*ハンドジェル(twst ジェイド)
 鼻歌を歌いながらハンドジェルを手に塗る。ハンドクリームだと出しすぎた時にベタベタする上になんとなく油っぽいのであまり好きではないのだが、これは好きだ。さらっとしているし、連日補習と図書館通い、そうでない時にも娯楽として本を読んでいて手が乾燥しがちな私には非常にありがたい。匂いがそれほどしないのも嬉しい点だ。悩んでいる時など手を顔に近づけがちなので匂いがきついとそれだけでダメージを受けてしまう。グリムも鼻がいいのできつい匂いをさせていると嫌がるし。
 塗り終わった手をなんとなくひらひらさせてから席を立とうとすると、途端にヌッと影がかかる。
「歌はもう終わりですか?」
 聴き間違えるわけがない。ジェイド先輩の声だ。
 音もなく背後に近寄られていたという事にたった今気づきピシ、と固まる。しばしの間があき、使っていたハンドジェルにジェイド先輩の興味が移ったようで話題がそこに移る。いつまでも歌のことを引きずられなくてよかった、と少しほっとした。
「ああ、それ珊瑚の海で作られている有名なハンドジェルですね。僕らは水に馴染んでいますから、陸の人間からすると高品質なものを作れるようで。材料も珊瑚の海にはありふれたもので作られているので安価なんですよね…と、監督生さんはそんなこと言わずとも知っているでしょうが」
「それ遠回しに貧乏って言ってます?」
「おや、まさか。目利きを褒めているだけですよ」
 そこでようやっと振り向くと、いつものようににっこりと真意のわからない笑みを浮かべているジェイド先輩。大きすぎて首が痛くなるので一言断って椅子を下げて立ち上がる。立ち上がってもはるか上に顔がある事に変わりはないのでどっちにしろ首は痛くなるのだがまだましだ。
「ところで話は戻るのですが」
「?はい」
「先ほど歌っていた歌は監督生さんの故郷の歌ですか?」
「やっぱり聞いてましたか…」
 というか多分この人は歌を聞いて寄ってきたのだろうな、と思う。歌を口ずさむ人が多いこの学校でも、オクタヴィネル寮の人たちは特に歌を好む。人魚は歌で船人を海に引き摺り込むとも言うが…あれ、これローレライだから厳密に言うと違うのか? いや、ここ異世界だしどうとも言えないけど…。
 思考がふらっと寄り道をしたが、先ほどの歌は故郷の…元の世界の歌に違いない。
「そうです、…あー、ミドルスクール? だったかな、で習って…童謡の一種ですよ」
「特徴的な言葉遣いだと思ったので…童謡、と言うことは古語の一種でしょうか?」
「古語までは行きませんね…古臭いな、ってぐらいで。古語ってなると…君が代とかかな?」
「君が代?」
「私の国の歌ですよ。きーみーがーあーよーおーはーって」
「…ああ、そうです」
 そうして途端にジェイド先輩が黙り込んで君が代の音程を誦じようとする。けど少し外れていて、ジェイド先輩もできないことがあるんだな、とぼんやり思う。それと同時に難しい話になりそうで少し嫌な予感がする。
「特徴的な音階ですよね? こちらの歌にはおそらく無いと思うのですが…」
「音階…ああ、うーん…私も詳しくは知らないのでなんとも言えないんですけど…。雅楽、って言って…そもそも私の国は島国で技術が発展するまでは文化がほとんど閉じていたんですが、その影響で音楽も独自の発展をしたらしくて。だからだと思います」
「ホウキは…と、監督生さんの故郷は魔法がないんでしたね」
「はい。その代わりに科学が発展していて…まぁでもこっちの世界とできることは多分あまり変わりませんよ。誰だったかな、『優れた科学は魔法と見分けがつかない』って言って。もちろん私はこっちをあまり知らないので文明の発展度合いは違うのかもしれませんけど…」
 ああ、こういう時に嫌になる。忘れそうだったのに。見ないフリができていたのに。閉じ込められている私も、物を知らない私も、帰る望みが薄いことも。
「…なるほど。興味深いですが…また今度にしましょう。…その本は図書館に返すんですか?」
「はい。気分転換にここで読んでましたけど、読み終わってしまったので」
「持ちますよ」
 思考が停止する。…何かありそうだ。裏が。オクタヴィネルの人たちは、特にアズール先輩とリーチ兄弟は損得感情を大事にする。…いや、訂正する。フロイド先輩はその気が薄めだ。あるのに変わりはないけど。
「何をさせるつもりですか…」
「いえ、少し嫌な思いをさせてしまったようなので。お詫びにと」
 いいかな、と思った。少しぐらい騙されたって。
「じゃあ、お願いします」
「ふふ、ええ」
 本当になんでもできちゃう人!
休憩します…というか配信終わります。お疲れ様でした。
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初公開日: 2020年04月24日
最終更新日: 2020年04月24日
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