喧嘩はいつも自分の一言から始まる。
「もうそんなに言うなら別れよう」
そこからはもう話し合いは口喧嘩に変わる。
彼の反応は決まっている。そういうことを言っているんじゃない。お前は短絡的過ぎる俺はお前のことが嫌いでこんなことを言っているんじゃない。
いつもはカッとなる自分を優しく諭す言葉が全て責めているように感じる。こうなるともう駄目だ。
喧嘩の終わりもいつも自分の一言だった。
「もういい!」
わざと大きな音を立てて玄関のドアを閉める。着の身着のまま二人の住処であるマンションを飛び出して行った。
いつもこうだ。
足の赴くままに走って行ったら近くの公園に辿りついていた。休日に二人で散歩がてらに行く場所。涙は流れていたが心の中で密かに自嘲する。別れると言いつつも結局は彼に見つけて欲しいのだ。ここは携帯も持っていない自分を探すのなら真っ先に思い当たる場所。