体がむずむずする、と運動場へ出ようとした矢後は合宿所の玄関先でパトロールから戻ってきたヒーローたちと出くわした。そういえば今日は学校混合の合同パトロールで、久森が呼び出されていたはずだ。それを思い出した矢後は側にいた三津木へ久森はどこだ、と声をかけるが彼は困惑した表情でどう答えようか迷っているようだった。久森が大きな負傷をしたとは三津木や他のメンバーの様子からも思えない。表情の意図が掴めないでいると後ろから名前を呼ばれ振り向けば、これまた困った様子の御鷹と、御鷹に抱えられた小さな「子ども」の後ろ姿が目に入る。
「あの、矢後さん……晃人くんはここにいます」
よいしょ、と自分の体から引き離した子どもを横抱きにし、その腕を矢後に差し出す御鷹。彼の腕の中には見知ったグレーのパーカーに包まれすやすやと眠っている子どもの姿。それは久森にとてもよく似ている。
「……これ、久森?」
「はい……晃人くん、イーターの攻撃を受けて子どもになってしまって」
その場に居合わせていた志藤は、御鷹の言葉を聞いた矢後は、いつかのクリスマスで浅桐のビックリ箱を開けたときのようだったと後に語った。
***
「ほんとに久森くん!? かわいー!!」
「わっ。いしぇじゃきしゃん、ちかい!!キラキラしてゆ!!!!!まぶしい!!」
あの後起きた久森は、自身に起きた異変に大きなため息をついた。いっそのこと、精神も子どもに戻れていたならどんなに楽だったか。見た目は子ども(おそらく三、四歳くらいに見える)、中身は男子高校生というどこかの名探偵のようで
おわります