7.暁 「花明かり」「夢から覚める」「残された温もり」
人物指定:無    呪👹桃
それはまるで悪夢の様で。
目の前で、友人や兄が息絶えていく。
他の誰でもない。
自分のせいで。
「帰ってこい」
聞き慣れたその声と共に、突如身体が浮き上がる様な感覚を覚えた。
夢から覚める時に感じる浮遊感は、あっという間に小さな身体を包み込む。
次に目を開けた時には何が見えるだろうか。
地獄か、血溜まりか。
「呂戊太が戻ったぞ」
否、目に映るのは、友人たちの安堵に満ちた顔。
悪夢は終わった。
家に帰って、兄さんに夢の話をしてやろう。
そう思っていたのに。
暗い廊下の先で、銃声が鳴り響く。
人によく似た何かが苦しそうに叫ぶ声が、鼓膜を揺らす。
すると何故だろうか、再びあの浮遊感を感じるのだ。
嗚呼、これも夢だったのか。
目が覚めればきっと、そこには大好きな兄さんがいるはず。
そう、いるはずなんだ。
分かっていた。
それでも信じたかった。
隣に残された温もりは彼のものだと。
花明かりの下で、綺麗な紅い花を咲かせた彼のものだったと。
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飽きるまで
初公開日: 2020年04月20日
最終更新日: 2020年04月20日
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