気が付くと空を飛んでいた。両手を広げ風を掴んで上手に空を飛んでいた。真上には丸い太陽が輝き、雲の切れ間からその光が漏れている。何の疑いもなく右に行きたければ身体をひねって旋回して、戻りたければ肩でバランスを取って、それはとにかく自由だった。空は広いんだ。真っ直ぐ飛んでもその果てには辿り着かない。もともと果てを探しに行く気はない。二郎は一度身体の力を抜いた。伴うように頭から下降するがちっとも気にならなかった。雲を抜け、光の帯を辿り、緩やかに左へと舵を取る。数度回ってふわりと安定したときには眼下にまた別の青さが広がっていた。
 海だ。見覚えのある色ではない。深い深い色の海だ。一度視線を走らせた。横にはまだ雲も浮く空がある。明るい光が差し込む空と違い、海の青はほろ暗い。海面だけがぎらりと揺れ、しかしその先に暗い青が口開けるのみ。
 二郎はまた降下を始めた。急がなくては、なぜだかそう思ったのだ。降下と旋回を繰り返し、見えてきたのは港町。嫌になるくらい綺麗に整備された海との境目と背の高い建物。二郎はそのひとつのアパートを目指して、ただただ降りて、降りて、おりて。
 まさにベッドから落ちそうになった二郎を止めたのは銃兎だった。寸で間に合った彼をみるが呑気に頬を緩めて眠るだけ。ベッドヘッドに片手をついて大きなため息をついた。力任せに引っ張り上げて自分は薄く朝焼けが差し込むカーテンを開けにベッドを出る。大きな窓に映る空は今日も広くて明るかった。
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青いSS書くよ
初公開日: 2020年04月13日
最終更新日: 2020年04月13日
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