これはテストです
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 豊前江の握った鍬が、振り上げられ、その反動を生かしたまま土に刺さる。今朝の霜柱が薄く残る大地に、ざく、と分厚い刃物が振り下ろされる。
 鍬を入れ、土を掘り起こし、柔らかくなったところを軍手をはめた篭手切江が手のひらで掻き出す。いくらか掘り進むと、根に鈴なりになった地下茎がごろごろと転がり出てくる。肥った部分だけを根からもぎ取り、収穫用の箱の中へ移す。その繰り返し、単純作業だった。
 篭手切がじゃがいもを掘り返しているあいだ、豊前は鍬を使うのに曲がった背筋を伸ばすために柄を支えにして腰をひねっていた。周囲を見回した拍子にかれが馬小屋のほうに注目したのを篭手切は見て取って、「今日は畑当番ですよ」と釘を刺す。
「わーってるって、よそ見して悪い、よし、次進むか」
篭手切の作業が一息つくと、今度は入れ替わりに豊前が畝を進み、再び平らな土を鍬で返すところから始める。
「顕現したては、どうしようもありません。戦に出るにも、戦力が横並びのほうが都合がよいことが多いので、いますぐ出陣してもらうことも難しいですし。畑仕事をしていると、体力もつきますし、戦に有利なことでもあるんですよ」
豊前が鍬を振っているあいだ、篭手切はもう何度か言い聞かせた話を、粘り強く繰り返す。
「わかってっけどさ、適材適所ってもんがあるだろ……」
「まあ、付喪神たるもの、なんでもできないと、っていうことで私は納得していますけど」
 お嫌いですか、畑当番、と篭手切は、軍手のゆるんだ袖を直しつつ、再び芋を拾う。
「まあ、好かんっちゃ、好かんな」
 手を止めるたび、豊前は馬小屋のほうに視線をやる。篭手切はそれを知っていて、けれどもう指摘することはしなかった。
「りーだーの、好かん、ていう言い方、私好きですよ」
 代わりに、じゃがいもを一つ二つと拾い上げながら、感心したように言う。
「苦手とか、嫌いとか、言い方はいろいろあると思うんですけど、好きじゃないって言うの、聞いていて面白いです」
「そんな変わった言い方か?」
 豊前は首を傾げる。
「ほかに好きじゃない、好かんものって、ありますか」
 隣の畝に移り、収穫箱の新しいのを手近に引き寄せながら、話は続いた。
「戦績の読み比べ。特に字が多いやつ。あと万屋行くとき、みんなから預かった買い出しりすとを見ながら買うのも、なんか向いてねえ……あれたぶん、親切で渡してくれてんだなって分かってるけど。演練もあんまり本気出せねーよなあ」
「じゃあお好きなものは?」
「馬当番。あいつら疾そうだし、走るときのこう、筋肉とか骨の動きを考えな
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