なんかまた急に寒くなってきて今が夏なのか秋なのか冬なのかまったくわからなくなってきた昨今皆様如何お過ごしでしょうか。わたくし人形使いの自律神経はもうだめです。
 しかし弱音を吐いていても仕方ないので、紅楼夢戦利品レビューを続けていきますよ。
・エリュシオンの逢瀬(折葉坂三番地)
 イチオシの小説系サークルさん、今回は取り置きしてもらってた本と秋季例大祭での新刊の2冊を入手したので、まずは秋季例大祭発行のこちらの感想を。
 話の筋建ては「レミリアが霊夢に再戦を挑む」これだけとごくごくシンプル。
 そしてページ数も、今確認したらなんと表紙・裏表紙含めてわずか10ページ。
 このシンプルな掌編の中に、win番最初の東方Project作品「東方紅魔郷」から、同時に2026年10月現在での最新の東方Project作品「東方紅魔郷New Classic」までの道程と歴史が詰まっています。
 特にページ数は、今あらためて確認して実質10ページ未満ということに驚きました。読んでるときは全然そんなこと思わなかったし、読み終わったあとでも「これで終わり?」とも思いませんでした。読んだあとの充実感とページ数は必ずしも関係ないんだなあと改めて思った次第。
 わたくし人形使いが東方Projectの二次創作小説に期待することはたくさんあるんですが、その中のひとつに「原作ゲームのゲームシステムや演出といった『ゲームとしての描写』をいかにして小説媒体に落とし込んでいるか」があります。言い換えれば「原作ゲームをいかにして小説に翻訳しているか」ですね。
 そして必然的にこの部分は、「原作ゲームをプレイしている人でないと出せない魅力」となります。
 この点本作は本当にうまい。
 スペルカードをはじめとする原作ゲームの要素をうまく小説として再現しているのみならず、前述の通り旧作紅魔郷から紅魔郷NCまでの変化をも「霊夢の経験と成長」という形で描写しているのが素晴らしい。
 例えば旧作紅魔郷では「ホーミングアミュレットとパスウェイジョンニードルに装備が分かれていた→近作では両者を使い分けることができるようになっている」ということを練度の向上によるものとしたり、旧作紅魔郷イージーモードは5面までということを「実力不足で咲夜に追い返される運命」と表現していたり、旧作紅魔郷にはなくエネミーマーカーが紅魔郷NCでは実装されていることを「どんなに濃密な弾幕の中でもレミリアの位置を的確に見定める立ち回り」と表現したり。
 そして度々ネタにされている「新作が出るたびに長くなっていくお祓い棒」もこれらの変化のひとつとして描写しているのがすごいやら笑えるやら。
 そして、これらの霊夢の経験と変化をwin版最初のラスボスであり、2026年10月時点の東方公式最新作のラスボスでもあるレミリアとの戦いを通して描写することによって、このわずか10ページにも満たない作品の中に東方Projectの主人公たる霊夢の変化、そして東方Projectという作品の歴史を詰め込んでいるわけですね。
 こう考えると、win版最初のラスボスであるレミリアこそ博麗の巫女としての、そしてひとりの幻想少女としての博麗霊夢を見届けてきた人物なんだなあ、と思えます。
 今日はここまで。
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第22回東方紅楼夢戦利品レビューその4
初公開日: 2026年10月29日
最終更新日: 2026年10月29日
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