生と死。
聖と邪。
表と裏。
昼と夜。
光と闇。
そして――天国と地獄。
対置関係にあるふたつの概念の、その狭間。
狭間にこそ、「魔」は宿る。
『[[rb:悪魔 > トイフェル]]』の[[rb:受肉 > マテリアライズ]]を確認。バフォメット級四、アガリアレプト級1、[[rb:使い魔 > ファミリア]]を多数展開中』
「クルセイダー1了解」
シートの背面から伸びてきた薬物投与用アームから注入される[[rb:戦闘薬 > エリクシル]]が全身に染み渡り、戦闘を前にしたわたしの心身を凪いだ湖面のごとく沈静化していく。
同時に、自分の四肢が、そして精神もが全長20メートルの人型機動兵器「ハビット」と、そして隊伍を組んだ[[rb:隊員 > シスター]]計8名と同調する。
神の名のもとに、我らはひとつ。
『聖なるかな。聖なるかな。聖なるかな』
全員が唱える聖句と同時に戦闘宙域に[[rb:聖灰 > ビブーティ]]が散布され、充満しつつある邪気を押し戻す。
それに呼応するかのように、無数の醜悪な肉塊が正面から飛来。[[rb:使い魔 > ファミリア]]の物量による正面突撃だ。
応じて、わたし達は陣形を展開すると同時に長射程誘導弾を発射。弾幕によって[[rb:使い魔 > ファミリア]]の突撃を阻む。
「リーチェ、雑魚に構うな! バフォメット級を落とす!」
『了解!』
クルセイダー2、リーチェの返事にわたしは戦闘中であるにもかかわらず穏やかな満足と充実感を覚えた。
長年のパートナー。わたしの大切なリーチェ。
通信越しにも、リーチェの表情が、鼓動がわかるのは、決して[[rb:戦闘薬 > エリクシル]]とデータリンクシステムのためだけではない。
爆光が収まるのを待たず、わたしとリーチェは仲間の支援攻撃を背に生き残った[[rb:使い魔 > ファミリア]]の群れの隙間をかいくぐって前進する。