誰もいない駅舎で
導入メモ
 雄大な景色を見に来た帰り、最寄りの駅で一時間待ちぼうけをくらう。
 一つくしゃみをする。マフラーに、貼るカイロ、全身を隠すロングコートを纏っても、冷たい風が通り抜けると無意味に思える。
「大丈夫?」
 彼は立ち上がり、自身のアウターに手をかけた。私に着させるつもりだろうか。
「入る?」
 そのままガバっと広げ、変質者のごとく立ち尽くす。返答せずにいると、彼はヘラヘラと笑った。
「じょーだん、冗談。これも羽織っときな」
 立ち上がり、彼に引っ付いた。
「めずらしー……」
 そっちから言っておいて、ちょっと引いた反応はやめてほしい。
「寒いから。嫌なら離れるけど」
「いやいやいや! 嬉しい嬉しい!!」
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20260227
初公開日: 2026年02月27日
最終更新日: 2026年02月27日
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