11月も目前となっており、来月も塚口の上映スケジュールはえらいことになってます。これと並行して各種原稿をやっていかねば。
 しかし10月もまだまだ見たい作品が残ってます。というわけで今日は豪華二本立て。
 1本目はこの作品!
 本作はRRRのNTR.Jr氏、そして我らが創造神ことラージャマウリ監督による約束されし名作アクション大作。
 塚口でのインド映画はここしばらくタイミングを逃しててあんまり見られてなかったんですが、本作は上映終了前になんとか間に合いました。
 かつて孤児であったシンハードリは、富豪であるヴァルマに引き取られて立派な青年に成長していました。ヴァルマの娘との結婚も考えている一方で、彼はなぜかヴァルマたちに隠れて郊外に住んでいる心を病んだ少女インドゥの世話をしているのでした。
 彼は開催される12年に1度の祝祭であるプシュカラムに参加するため、インドゥを連れてラージャマンドリへ向かいます。しかしそこで、彼を2組の謎の集団が襲撃。応戦するシンハードリに、彼を助けて戦う集団の一人が「シンガマライさん!」と呼びかけます。その混乱の中、驚くべきことが起こります。
 シンハードリの胸を深く刺し貫いたのは、なんとインドゥ。
 シンハードリを襲った集団の正体とは? そしてシンハードリが隠している真実とは?
 わたくし人形使いがインド映画を好む理由はいくつかあるんですが、その中のひとつに「懐かしさを感じる」があるんですよね。
 調べてみると本作は2003年の作品で、これまで見てきたNTR.Jr氏主演の作品としてはもっとも古い作品。ちなみに上映当時のNTR.Jr氏は弱冠20歳!
 なので本作、画面が微妙にぼやけているというかフィルムグレインがかかってるような感じがあり画面が懐かしい。
そしてCGも弱冠古臭い感じで、ちょうどいい古さを感じるんですよね。加えて前半部分のコミカルなシーンのコッテコテなノリがまたちょうどよく古い。
 このちょうどいい古さ、なんでちょうどいいのかと考えてみたんですがアレだ、「ポリスアカデミー」とかあそこらへんの作品と同じ感覚なんだよな。
 本作もインド映画の例に違わず3時間の大作なんですが、見てるときの気分は映画館で大作を見てるというよりは、日曜のお昼にロードショーを見てたときに近い気分でした。
 話の筋もシンプルで、これまたインド映画のお約束でインターバル直前で衝撃的な事件が起こり、後半で伏線回収が行われる。後半はこれまたインド映画のお約束で過去編で、シンハードリとインドゥの関係が明かされます。
 実はシンハードリを引き取ったヴァルマには姉がおり、彼女はヴァルマの反対を押し切って駆け落ちしていたのでした。そしてインドゥはヴァルマの姉の娘でした。シンハードリはそれを心配し、ヴァルマの姉を訪ねていたのです。しかしヴァルマの姉は街を牛耳るギャングによって殺害されてしまいます。その現場を見たシンハードリは怒り狂い、ギャングを全滅させます。
 町の人々から「シンガマライ」と称賛されたシンハードリですが、ギャングは今度はヴァルマの姉の夫をターゲットにします。彼に爆弾が仕掛けられたアタッシェケースを渡して、彼が乗車予定の列車ごと爆破しようと企てていたのでした。爆弾入りのアタッシェケースを持った夫を止めようとするシンハードリ。しかし間一髪間に合わない。このままでは夫もインドゥも、たくさんの乗客も命を落としてしまう。
 シンハードリは、かつてのヴァルマの教えである「たとえ数人でも助けられればひとりが死んでもかまわない」を実行します。すなわち、夫を撃って乗車を食い止めたのです。
 多くの乗客は救われたものの夫は死亡、爆発の余波を受けて頭を打ったインドゥは精神退行を起こしてしまってたのでした。そして混乱の中、記憶を取り戻したインドゥはシンハードリを刺してしまう。
 このあたりもやはりインド映画お約束の因果の話ですね。こういう過去の出来事とその精算はもはやインド映画の様式美と言えるでしょう。最終的に三角関係に落ち着くあたりもコミカルで良かった。
 そして何と言ってもNTR.Jr氏が魅力的。コミカルな時はコミカルに、シリアスな時はシリアスに、バイオレンスな時はバイオレンス。シナリオにおける前半と後半のコミカルさとシリアスさの落差をしっかり演じ分けてるのがまあすごい。ダンスシーンはもう言うまでもなくですよ。
 かように本作はストレートな大作インド映画といった感じで、アクションもダンスもコメディもシリアスも楽しめる、まさに幕の内弁当といった感じの作品でした。
 次の作品はこれ!
 お前何回劇パト見れば気が済むんだよとか言われそうですがうっせえバーカバーカ!!! 好きなものは何回見ても好きなんだよ!!!
 というわけで何回目なのかもはやわからない劇パト2ですよ。場内では「コンディション・グリーン」が流れており流石と言った感じ。いつかOVA版全話イッキ上映とかやってくれてもいいのよ?
 同じ作品も見る時期によって印象が変わってくるということはこのブログを読んでいる皆さんもご承知のとおりですが、TV版パトレイバーの「この作品はフィクションである。……が、10年後においては定かではない」が、時代が進むごとにどんどん洒落にならなくなっているというのが……。
 昨今SNSで上がっている生成AIによるフェイク画像を見てると、下手すれば個人でこれができるんだよな……とかなり怖い気持ちで今回は見てました。
 そしてみんな大好き幻の爆撃のシーン、何回見ても劇パト、というか押井作品……というか、押井守の思考の真骨頂って感じですよね。1発のミサイルも撃たず、1回の爆発も起こさずにこれだけの緊迫感を演出してるシーンはほかにない。国際線は大阪に回せ!
 なお今回のはサウンドリニューアル版でしたが、オリジナル版も久しぶりに聞きたくなる。
 本作はキャラデザが大きく異なることからいろいろ言われることも多いようですが、これはこれで好き。季節のこともあって寒くなってきた時期に見るとなんか効くんですよね。
 大事件からのハッピーエンドだった劇パト初代に比較して、この全体的に乾いた感じの、どこか虚無的な空気感が実に押井作品という感じ。
 ……で、劇場上映に恵まれないWXⅢもやってくれないかなあ。
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