【00】
みおちゃんとBくんのことを思い出したのは娘が7歳になる誕生日でした。
2か月前、娘は英会話教室を習い始め、アルファベットを初めて習ったときは嬉しさのあまり、周りにあるものすべて
Aちゃん、Bちゃん、Cくん、Dくん…
と、こんな調子でお絵描き帳やぬいぐるみ、そして、私の化粧品などに名前を付けていました。
娘の7歳の誕生日。
おじいちゃんからプレゼントでもらった空色のシャツは娘に「Bくん」と名付けました。
「Bくん」
この名前を聞いた瞬間、私の何十年も前の記憶が掘り起こされました。
それは、おかっぱ頭のみおちゃんと空色のTシャツと茶色のズボン、そして真っ黒の靴を履いたBくんが広場で遊んでいるところでした。
私は懐かしくなって、その一部の記憶から約1年もの記憶をうっかりと探り出してしまいました。
【01】
これは、私が小学一年生の時のことです。
入学してばかりの時でした。
『小学校』というものは、今までとは違うとても特別感にあふれた空間でたった一人を除いてクラス全体が緊張感に包まれていました。
その、『たった一人』というのは、出席番号順で席が隣だったみおちゃんでした。
今でもみおちゃんはおかっぱ頭で赤と緑のチェックのスカート、そしてクリーム色のブラウスをよく身に着けていたのを覚えています。
みおちゃんはそれくらい特徴的な子でした。
何故、特徴的だったのか。
それは、今思うとみおちゃんが発達障害児だったからだと思います。
最も、当時の私は『発達障害』なんて言葉は聞いたことすらありませんでしたので、おかしな子、としか思っていませんでしたが。
もっと、みおちゃんのことを話そうと思ったのですが、もう30年も前の話。
私も記憶が曖昧です。
そこで、少しずつ出来事を思い出すことにしたのですが、とても時間がかかりそうです。
良ければ皆さんも一緒に記憶を探りませんか。
そうしたら、もっとみおちゃんについて分かるはずです。
小学一年生の春。
私の席は、教室の窓際。そして、角。
クラスメイトに声をかける勇気もなく、最初の一週間は一人ぼっちで過ごしていました。
でも、その一週間が終わったのは美緒ちゃんのおかげで終了しました。
四月八日のこと。
「ね、いつも一人で寂しくないの?」
みおちゃんにそう聞かれました。
勿論、このころの私は友達もできず、寂しかったので
「寂しい。」
単純にそう答えました。
もしかして、遊んでくれるのかな。
そう思ってやや上目遣いでみおちゃんを見ました。
「じゃあ、みおちゃんとBくんと一緒遊ぼう!」
私が求めていた言葉を言ってくれました。
その時の私は、嬉しい気持ちでいっぱいで、Bくんが誰かなど全くに等しいほど
気にしていませんでした。
でも、しばらくすると
「Bくん!お絵描きしよう。」
等と存在していないはずのBくんに話しかけ始めたので流石の私も誰だろう、と思って聞いてしまいました。
「Bくんって誰?」
すると、みおちゃんは目を大きく見開いて言いました。
「Bくんはこの子だよ。」
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みおちゃんとBくん 00∼
初公開日: 2025年10月01日
最終更新日: 2025年10月01日
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