ペンギンSFアンソロジー感想も、残り4作品となりました。今日と明日で終わらせるかな。予定は未定。
・このゆびとまれ(入間しゅか氏)
大学に出現する、「ペンギン」というあだ名を持つ謎の少女を巡るお話。
本作から感じるペンギンイメージは「神出鬼没」。
高校も大学も同じく学校ではあるものの、大学入学時は高校とは比べ物にならないほど世界が広がった覚えがあります。大学という世界はまさに混沌であり、その混沌の中には本作におけるペンギンのような「へんないきもの」もいるわけです。
主人公は神出鬼没の怪人物であるペンギンを探しますが、いつもあともう少しというところで取り逃がしてしまいます。学内の有名人であり誰もが知る存在でありながら、誰も捕まえたことがない寝ぞの人物であるペンギンには、遠く離れた南極大陸の雪と氷の向こうにその姿を隠した二足歩行生物としての……そして、もしかしたら本当に、絶滅という形で姿を永久に隠してしまうかもしれないペンギンという生き物の姿がオーバーラップします。
しかしラストで、主人公もまたペンギンが絶滅によって地球から姿を消してしまうかのようにその存在が希薄化してしまったことが示唆されます。「ミイラ取りがミイラになる」ならぬ「ペンギン取りがペンギンになった」と言ったところでしょうか。
あと本作、なんだかすごくアフタヌーンコミックスっぽさを感じる。
今日はここまで。