「why do you need」。それは最も不思議で、答えの無い問題である。
その発祥はDDR、ダンスダンスレボリューション。かつて音ゲーの最前線を走り、今もなお愛されるシリーズだ。プレイ面では「運動」と言っていいほど体を使う機種であり、他では類を見ない体力ゲーと言える。今回の話は、そんなDDRが稼働した1998年から始まる。
稼働当初。ゲームセンターに並び立ったDDRは瞬く間に人気を獲得し、当時のビートマニアと合わせて音ゲーの一時代を築いた。多くの人がこのムーブメントの中にあり、上手いプレイは時にギャラリーを集めることもあった。そんな中で一際難しかった曲がある。
Paranoia。
数値上の最高難度と、硬派かつ機械的な音楽。まぎれもない「ボス曲」の姿がここに存在し、プレイヤー達に目標として立っていた。数多のプレイヤーが挑みかかり、Paranoiaは彼らに無数の敗北とそれを乗り越えた先の栄光を与えたのである。
続く2作目。Paranoia dirty mixの登場は、Paranoia以上の難易度を誇り、前作同様の脅威をプレイヤーに与える。Paranoiaを乗り越えた彼らは時間と共に成長し、次のこの試練も乗り越えた…だが、これで終わりではないことは、誰の目にも明らかだ。次の難関曲という試練に向け、プレイヤーは牙を研ぐ。
そう、試練。音ゲーの歴史とは、高難易度曲とそれを乗り越えるプレイヤーによって作られる。
Trip Machine。脅威はParanoiaだけではない。制作陣は音ゲーにおける「シリーズ曲」という概念を用いて、新しい脅威を与えた。
Drop out。脅威はノーツだけではない。曲の速度、ギミック、すべてが牙を向く。
Paranoia KCET。進化を続けるパラノイア、ノーツはインフレによって密度を増していく。
Max 300。これは今なお登竜門として残る、当時の最難関曲である。
いくつもの難関が登場し、そのたびにトッププレイヤーによって攻略されていった。これはDDRというものの輝かしい歴史であり、栄光の記録である。
……本当にそうだろうか。
2003年、最終作、と言われたDDR EXTREME。
DDRは沈黙した。
アーケード版は3年間、次作Supernovaが出るまで、長い休止期間に入ったのだ。