混迷を極めるこの時代。誰もが己の進むべき道を見失っています。
 そんな時代だからこそ、人は指導者(タライヴァー)を求めるもの。
 誰かに教え導いてほしい。いざというときに助けてくれる、頼れる先生がほしい。
 でも大丈夫。我々には偉大な大将(タラパティ)がいる!
 大将、出番です!
 塚口でのマサラ上映が待ち望まれている作品数あれど、その中でもトップクラスにマサラ上映が熱望されていた作品なんじゃないでしょうか。作品だけでなく「大将(タラパティ)」ことヴィジャイ氏をマサラ上映で声の限りに応援したいという声はマグマのごとく塚口サンサン劇場の地盤の下で爆発の時を待っていたのではないでしょうか。
 そして今回、そんな塚口ファンの怨念がマスターマサラを実現したわけです。このままマサラ上映が実現しなかったら暴動が起きていたであろうことは想像に難くありません。(なおマサラ上映中のシアター内はほぼ暴動)
 本作のマサラ上映が発表されたときの賑いはものすごいもので、我らが大将の勇姿をマサラ上映で見届けんとするマサラの民が、仕事や家事、育児、学業の合間を縫って戦の準備を進めているであろう熱気が液晶モニター越しにビンッビン伝わってきてました。実際、塚口でのマサラ上映が近づいてくると関西中のダイソーからクラッカーが消え失せるらしいからな。もはや塚口のマサラの民にとって紙吹雪とクラッカーは日用品と言えます。
 そしてマサラ上映の際にマサラの民が用意するのは紙吹雪とクラッカーだけではありません。さまざまに工夫をこらしたというレベルを遥かにぶっちぎったアイデアのお土産が、劇場側に負けるかという勢いで繰り出されます。
 今回いただいたものはこんな感じ。
 いやーみんな毎回よく考えるなあと思いながらお土産を頂いています。塚口のマサラ上映時の待合室は突っ立ってるだけで前後左右全方向からホスピタリティでタコ殴りにされるので注意が必要だ。
 今回個人的にツボったのはキャンディの詰め合わせを、灰色に塗装された小さな紙コップに入れたお土産ですね。「マスター」を見た人ならわかる、あのバケツです。オタクはこういう「知らない人にはなんのことかわからないけど、知ってる人には絶対わかるアイテム」が大好き。
 頂いたお土産は、今まさにこの感想レポを書くためのエネルギーとなっています。この感想レポは塚口ファンの皆さんに支えられています。
 待合室でのお土産交換や挨拶も済み、いよいよ入場のアナウンスが。恒例の上映前のスクリーンは今回はこんな感じ。
 写真だと質感が分かりづらいかも知れませんが、黒板です。毎回毎回マサラ上映のたびに上映前スクリーンが楽しみなんですが、今回は特に凝ってて好き。また、わたくし人形使いの撮影スキルはヒメマルカツオブシムシ以下なので写真では切れてますが、右端には「日直:ヴィジャイ」と書いてました。まさかの生徒側!
 今回はかなり早く入場したんですが、入ってくる人入ってくる人みんなスクリーンにウケてたのが印象的。上映前から楽しい映画館、塚口サンサン劇場。
 そして今回劇場入口がなんか騒がしいと思ってたらTV局の撮影が入ってました。しかも2局。しかもうち1局はあの「ナニコレ珍百景」! まあ塚口のマサラは確かに珍百景に値するよな……あんな大量の紙吹雪とクラッカーが館内で爆発したり客(支配人含む)が踊りまくる映画館なんてそりゃあ珍百景だよなあ……とひとり納得するわたくしでした。あとダンボールアートも改めて取り上げられるべき。塚口の魅力を全宇宙に轟かせるのだ。
 最近は急激に寒くなっててもうそろそろ夕方以降はコートがないと厳しい季節になってきましたが、やはりマサラ上映前になって人が増えてくると館内には日常生活では決して味わうことのない熱気がミチミチに満ち満ちてすでに暑くなってきました。やっぱおかしいよこの映画館。どこなのここは? 魔界?
 などと改めて塚口サンサン劇場の異常性を全身で味わっていると、館内後方から気配が!
 そう、我らが塚口サンサン劇場を統べる「大将(タラパティ)」の登場だ!
 サングラスにチェックのシャツはドレスコードなのでいいとしてガチ飲酒! ガチ飲酒です!! なりきると言っても限度ってものがあるだろうという正論は万雷の拍手の中に露と消えるのでした。
 前述の通りTV局の取材が来てるのにこれ! 情熱はあっても法はない! これが塚口!! ここほんとに映画館?(いつもの)
 「ナニコレ珍百景」の次回放送日は12/1だそうなので、この部分が公共の電波に乗るかどうかは日本の放送倫理を問う上で非常に重要な争点となるでしょう。
 そんな脱法前説で恒例のアンケート。今回も数人ですが初マサラ、初塚口、初マスターの方がいて温かい拍手の皮を被った「もう絶対に逃さんからな……」という怨念が向けられます。
 前説の段階で大盛りあがりのマスターマサラ、本編が始まったらどうなってしまうのか!
 まあ結論から言うと本編が始まる前の「Saaho」の予告、厳密に言うと「Saaho」の予告でプラバース氏が出た瞬間にテンションフルスロットルになってました。アクセルがオンオフしかない映画館、塚口サンサン劇場。
 しかし塚口においてはこれだけ盛り上がってて助走の段階。ここからが本番!
 世界一受けたい授業ことヴィジャイ先生のマサラ学、講義開始!!
 今回の作品「マスター 先生が来る!」は上映自体は以前もされてましたがマサラ上映は今回が初めて。ということでもう親の顔よりマサラしてきた「バーフバリ」や「RRR」と比べるとやはり手探り感があった感じでした。
 しかしそれもマサラ上映の楽しいところ。常に「次」を意識する映画館、塚口サンサン劇場。
 また、前説のときにちゃんとみんなが全員とタイミングを合わせてやりたいであろう「タラパティ!」と肺活量の限界が試される「カバディカバディカバディカバディカバディカバディ」の練習タイムが設けてあったおかげで、初マサラでもなんとか着いていくことができました。
 わたくし人形使いはもうだいぶ長いこと塚口のマサラ上映のレポを書いてますが、やはり「塚口のマサラ上映の魅力は一体感にある!」と何度でも書きますよ。それが事実だからだ!
 そしてこの「塚口マサラの一体感」にはふたつの種類があります。まずひとつは「スクリーンと客席との一体感」。
 今回のマサラに参加した方は赤べこ状態で首肯してくれると思うんですが、冒頭で酔っ払って寝てるJDを学生たちが文字通り担ぎ上げて来るシーン、あそこ完全にスクリーンの中にいましたよね我々。そもオタクはヒーローやヒロインではなく彼ら彼女らを取り巻くモブになりたいという願望を抱いていることは言うまでもありませんが(要出典)、サンサン劇場のマサラ上映はスクリーンという第4の壁を壁ではなく窓として、我々をスクリーンの向こう側に連れて行ってくれるのです。「映画鑑賞とは体験である」とは戸村支配人の言ですが、こんな経験をしたらそりゃあもう知る前には戻れなくなるってもんですよ。
 そして、本作に限らずヴィジャイ氏の作品を見てきた人にはわかると思いますが、氏の主演作品ではしばしば彼は役という立場やスクリーンという境界線を越えて明らかに「こちら側」に視線を向けていることがあります。上記のように客席とスクリーンの境界が薄くなり「窓」となっているマサラ上映という状況下では、ことさらヴィジャイ氏の真摯な視線と訴えが心の深部にまで届くんですよね。
 今回のマサラで、スクリーンの向こう側のヴィジャイ氏の視線と声をダイレクトに感じられたシーンがあります。それは中盤でヴィジャイ氏がバワーニに大学の生徒たちへの襲撃をほのめかされるシーン。
 あそこの「俺には無数のファンがいる」のシーン、最高だった。気分はもうイモータン・ジョーと目が合ったニュークスですよ。あのシーン、今日サンサン劇場のシアター4にいた人たち全員が「僕/私/俺のことを言ってくれた!」って思ったはず。ワシもじゃ ワシもじゃみんなッッッ 全選手入場ッッッ
 そしてもうひとつの一体感が「ここに集った観客同士の一体感」。
 わたくし人形使いも塚口のマサラ上映に参加するようになってから声をかけていただくことも増えましたが、今日ここに集った人の多くは初対面。それは多くの人が同じでしょう。
 そうした知らない人同士が「映画を楽しむ」という行為を通して一体となれるのが塚口のマサラ上映の素晴らしいところです。
 前説で戸村支配人が言う通り、マサラ上映は映画鑑賞+アルファ、そして今日この時塚口サンサン劇場という場所に集まった人々はともに同じ作品を楽しむ仲間。その仲間との一体感はここでしか味わえません。
 ただ単に「同じ場所で同じ映画を見る」というだけでなく、「ここで一緒に紙吹雪を撒いてほしい!」「ここで一緒にクラッカーを鳴らしてほしい!」「ここで一緒に鳴り物を鳴らしてほしい!」という願いに誰かが応えてくれるという体験ができるのが塚口のマサラ上映の素晴らしいところ。
 特に今回は初マサラということで全員が手探り状態だったにもかかわらず、盛り上げてほしいところはきっちりみんなが盛り上げてくれたおかげでしっかり楽しめました。特に前述の「俺には無数のファンがいる」のシーンで一斉に紙吹雪とクラッカーと歓声と鳴り物が響いたあの瞬間の興奮よ。この一体感、塚口でしか味わえません。
 これを味わったらもう沼に一直線ですよ。
 ……といった感じで「マスター 先生が来る!」初マサラ、興奮のうちに終わりました。いやー楽しかった! 作品自体もとてもいい作品ですが、いい作品をいい環境で見るとさらにいいというカツカレー理論が真実であることを実感できました。
 しかし同時に塚口のマサラ上映には強い中毒性と依存性があります。なので早急にタラパティマサラの続きを要求する! あとヤマドンガマサラとT-34レジェンドオブウォーマサラとゴチックメード爆音上映を早く! 俺の命がかかってるんです!! 
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塚口サンサン劇場「マスター 先生が来る!」マサラ上映受講完了!
初公開日: 2024年11月23日
最終更新日: 2024年11月24日
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