しかし、大妖精のテレポートはあくまで限られた短い距離にしか移動できません。大妖精がテレポート先に移動した直後の光を、チルノは狙っていました。
「でえええいっ!」
リズムに乗って振り上げられたチルノの足が、凍った地面を踏みしめました。同時に、地面に叩き込まれた冷気が地面の下を走り、大妖精の足元で間欠泉のように爆発します!
「きゃあああっ!」
テレポート直後の無防備な瞬間を狙われた大妖精は、避ける間もなく被弾。舞い散る氷の中、チルノはガッツポーズを決めています。
「どおだっ! あたいも一勝!」
しかし、チルノもなかなか苦戦したせいかすっかり息が上がっています。これでふたりとも一勝ずつ。勝負の行方はまだまだわかりません。
立ち上がった大妖精を見て、チルノはにいっと不敵な笑みを浮かべてみせます。
大妖精もまた、その笑みに答えるように羽を羽ばたかせました。
(わたし、すごくわくわくしてる、どきどきしてる……!)
これまで感じたことがない高ぶりに、大妖精は我知らず胸の前でぎゅうっと両手を握りしめます。背中の羽の先が、いつしか緊張ではなく興奮でふるえているのを自覚しながら、大妖精はチルノに合わせてリズムを取り始めました。
こうしてチルノと同じリズムに身を委ねていると、まるで向かい合っていながらチルノととても近くにいるような気持ちになってきます。今まで感じたことがない、不思議な気持ちでした。