対する大妖精も、このくらいで親友が諦めることなんてないことは十分知っています。戦いの緊張に羽の先がぴりぴりとふるえていますが、戦いは苦手なはずの大妖精はその緊張感にどこか心地よさを感じていました。
(ふしぎ……。わたし、こういうのはあんまり得意じゃないはずなのに、なんだか……わくわくしてる?)
以前の弾幕ダンスバトル事件ではたしかにいつもの自分とは思えないくらいテンションが上がっていて、弾幕ダンスバトルに夢中になっていました。けれど今は、いつもの気持ちのままでこの弾幕ダンスバトルを楽しんでいる自分がいる、そんな気がします。
その理由は、きっと……。
「さっすが大ちゃん、あたいに当てるなんて! でも、しょーぶはこれからなんだからーっ!」
小さな氷精は、やる気をなくすどころかますますやる気になっています。
チルノは、おとなしい性格の大妖精をいつも引っ張り回していました。おてんばなチルノと控えめな大妖精。一見正反対に見えるふたりですが、だからこそというべきか、ふたりは大の仲良しになっていました。
ふふふ、と大妖精は忍び笑いをもらしました。きっとチルノちゃんのおかげだよね、と思いました。
チルノが足を踏み鳴らしてリズムを取るたびに冷気があふれ出し、地面を凍らせていきます。たちまち凍りついた地面の上を、チルノは裸足のまま滑りつつ氷弾を撃ってきました。
その弾幕に、大妖精は羽根をはばたかせてひるむことなく突っ込みます。体をひねって氷弾をぎりぎりでかわしながら、バレエダンサーのように踊りながら距離を詰めていく大妖精の反撃を察知してか、チルノはいちはやく防御の体制を取ります。両手に集中させた冷気の盾が形成されるのと、その盾に硬い音とともにクナイ弾が次々と突き刺さるのがほぼ同時。
「ぐううーっ! 反撃だぁっ!」
氷の盾にひびが入って砕け散ると同時に、チルノは飛び散った氷の粒に向かって冷気を浴びせました。氷の粒は大妖精の放ったクナイ弾をたちまち凍りつかせていきます。そのまま氷の塊はクナイ弾を放った大妖精のところまで伸びていきました。
対する大妖精は、伸びてくる氷に足を捕らえられる寸前でテレポート。