・あとがきパート
まあこのあとがきを書いている段階ではまだ本文は完成していないんですが、読者のみなさんがこのあとがきを読んでいる頃には無事に原稿が完成していると思いたい。それだけが私の願いです。(ひぐらし)
今回はラルバシナリオ飛ばしてチルノシナリオということでチルノが主役となったわけですが、なにげに長いこと東方二次創作を書いててチルノを主役にしたのは今回が初めてかも。個人的に自分は外部に出力してから初めて自分の中のキャラや設定への解釈を自覚するタイプなんですが、自分の中のチルノ像を改めて確認できたのは面白かったですね。特にチルノは二次創作上の解釈がほぼ固まりきってるキャラだったので、意識してそちらに引っ張られすぎないようにするのが大変でした。
さて、ヨイヤミダンサーズ本も本作で2本目。次はラルバシナリオで書いてみたいと思っていますが予定は未定。そしてそろそろ例大祭にも参加したいですね。
・本文
「大ちゃん! あたい、さいきょーのダンサーになる!」
「へ?」
まだまだ残暑の幻想郷。
いつものように霧の湖で遊んでいたチルノは、いきなりそんなことを言い始めました。
チルノがすっとんきょーなことを言い始めるのはいつものことなので、大妖精としては「またかー……」くらいにしか思いませんでしたが、チルノは氷の妖精とは正反対の熱い炎を両目に宿しています。
「でもチルノちゃん、あの騒ぎってもう収まったんじゃなかったの?」
大妖精の言う「あの騒ぎ」とは、少し前に起こった小さな事件のこと。幻想郷じゅうの森や湖に住んでいる妖精たちが一斉に踊りだし、それに釣られるように二人の友だちで妖怪のルーミアまでもがそこらじゅうで踊り回るという事件が起こったのです。チルノも大妖精もそんな騒ぎに中てられたかのようにやたらテンションが上って一緒に踊りだし、それを解決するために動き始めた霊夢や魔理沙まで巻き込んで、事件はどんどん膨れ上がっていきました。
そして結局その事件は、なんだかんだでいつものように霊夢と魔理沙のふたりによって解決された……という話が文々。新聞で小さく取り上げられました。その事件は異変というほど大事ではなく、自分も事件に巻き込まれていたはずの大妖精も、なんだか夢中になって踊っていたのが夢だったように感じられるのです。
しかし……。
「まーあの事件のくろまくは霊夢と魔理沙が捕まえたみたいだけど、あたいのハートについた火はまだ消えてないのよ大ちゃん!」
「げ、元気だねチルノちゃん……わたしはあのあと全身筋肉痛でうっかり1回休みになりそうになったんだけど……そういえばチルノちゃんもあのときへばってなかった?」
実はチルノは事件の最中に今と同じようにテンションがおかしなことになって大妖精にダンスバトルを挑んだのですが、先に体力が尽きてしまったのかあっさりへばってしまったのです。負けず嫌いのチルノのことですから、そのときのことがくやしいのかもしれません。
大妖精の言葉に、チルノは遠い目をしました。やけにニヒルな表情で応えます。
「大ちゃん……たしかにあたいは一度は負けちゃった。でも、だからこそそこから這い上がることでしんのしょーりをつかみ取るのよ!!」
「わ、わー……チルノちゃんすごーい……」
未だ地上に熱線を投げかける太陽よりも熱くそう語るチルノに、大妖精は若干引き気味に拍手を送ります。こうなったらもうチルノは人の話なんか聞きません。