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薄暗い長屋で、蝋燭の炎が揺らめく。部屋の隅には埃が溜まり、蜘蛛の巣が張っていた。男達の話し声が途切れる度、蝋燭が吹き消される。それをただ、ぼんやりと眺めていた。ここは、どこだろうか。なんで、ここにいるんだろう。そもそも、わたしは……。 小さな疑問が浮かんでは曖昧な意識に溶けていく。
またひとつ、火が吹き消された。皆なにかを期待するように周囲を見渡している。彼らはいったい、何をしているんだろう。真似するように視線をうろつかせていると、ひとりの男と目が合った。
「お、おおおっ、女だぁっ! 出た! 出たぞぉ! あ、青行燈だ!」
騒ぐ男の指さす先に視線が集まる。わたし? そっか。わたし、青行燈なんだ。すとんと腹に落ちた。額をなぞると角が生えている。白い着物もそれらしい。百物語の終わりに現れる妖怪。すこし脅かしてやろうと手を揺らすと、天井から蜘蛛が降った。ぎゃああぁ!と悲鳴を上げて逃げ惑う男達に、ケラケラ笑う。さらに蜘蛛をけしかけると、振り払おうと狂ったように転げ回る。しまいには長屋を飛び出して、半狂乱で川へと飛び込んだ。
「なにこれ、楽しっ」
柔らかな月の光に照らされ、きらきらと埃舞う中でくるくると回る。楽しげな女を避けるように、蜘蛛たちは壁へと這っていく。せっせと張り巡らされる蜘蛛の巣が、淡く輝いていた。
§ § §
青行燈とは、百物語の終わりに現れる妖怪だ。大蜘蛛、鬼女、あるいは起こる怪異そのもの。正体がどれであっても、「百物語の終わりに現れる」という点には変わりはない。つまり、だ。
「暇だなぁ……」
人間を揶揄うのは楽しい。長屋を揺らしてやったり、大蜘蛛をけしかけてみたり。単に姿を見せるだけでも、かなり面白い反応が見れる。百物語なんて真似をしてる時点で、怖がりたい人間ばかりなのだ。こっちは人間を揶揄えて楽しい。向こうは怖い思いができて嬉しい。両得だろうと百物語の会にせっせと顔を出していたのだが、「終わりに現れる」という部分が問題だった。
百物語は凡そ夜に行われる。夜闇に百の蝋燭を灯し、ひとつ怪談を話す事に消していく。最後の蝋燭を消すと本物の妖怪が現れるという触れ込みなのだが……。みんな!百まで!語ることがないのだ!
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ぽめ明菜
妖怪パロ
夢小説
初公開日:
2024年05月06日
最終更新日:
2024年05月08日
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ONEPIECEのポートガス・D・エース夢小説です。見切り発車。
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