Alice in Assassinated Acre/殺戮の国のアリス
CoCテキセシナリオ供養用
ハンドアウト
あなたはまさに今殺人を犯した。
目の前の死体を見つめるあなたを、白いうさぎが見つめる。
気を失ったあなたは、そして、別世界で目を覚ます。
PL設定
参加PCは1名。
現代PC。場所は自由。
あなたは自身の意志で殺人を犯した。
そのための理由づけと、殺した相手の設定を行うこと。
また、物語開始前に、好きな「不思議の国のアリス」の登場人物をGMと相談すること。
(GMは、後述する物語中で登場させることができないキャラクターの場合、変更させる)
シナリオの目的
人はなぜ他人を殺してはいけないのか/いいのか、について、PCなりの結論を出させる。
シナリオの真相
PCが殺した人物はニャルラトホテプである。
彼は、あなたが犯した罪について自問自答し、自分なりの言い訳をするの楽しみにしている。
うさぎもまたニャルラトホテプであり、彼はPCを自意識内の空間に連れていく。
PCが探索する世界は現実世界をもとに作られた脳内空間であり、登場人物はすべてPC自身である。
GMは、味付けをするなら、重要な人物たちに、PCの良心、悪意、欲望など感情を代表させると、描写しやすいかもしれない。
最後の裁判を終えてのち、PCは殺人を犯す直前に回帰する。
そこで再度殺人を行っても構わないし、行わなくても構わない。
いずれにしろ、殺させる/殺された人物がPCと会話をする場面でシナリオは終了する。
PLが望むなら、エピローグで、この冒険がPCにどのような影響を与えたか描かせてもよいだろう。
シナリオマップ
1 殺人を犯した直後
2 別世界で目を覚ます
3 第一幕 お茶会 (テーマ:殺人は必要ではないからしてはいけない)
4 第二幕 クリケット (テーマ:殺人はルールだからしてはいけない)
5 第三幕 裁判 (テーマ:殺人は正義ではないからしてはいけない)
6 殺人を犯す直前
7 エピローグ
各場面概略
1 殺人を犯した直後
PCに殺人を犯した直後の様子を描写させる
場所の指定がなければ、薄暗い個室などが適当か
ひとしきり語らせた後で、暗がりからPCを見つめる目があることに気付かせる
「出てきたのは白いうさぎ、後ろ足で器用に立ち、あなたを見上げていた。
手には懐中時計をもって、ただただたたずんでいる」
ウサギに話しかけても、それは何も返事をしない。
それが手元の時計の竜頭を押し込むと、あなたの意識は急速に遠のいていった。
2 別世界で目を覚ます
PCは「不思議の国のアリス」における登場人物の一人になる。
アリス、帽子屋、三月ウサギ、ハートの女王あたりが有力か。
アリスを選んだ場合は、ニャルラトホテプが白ウサギとして同行する。
アリス以外を選んだ場合、アリスが物語を進めていく。
なお、登場人物たちは、殺されても起き上がり、物語の役を演じ続ける。
PCも同様に復活できるが、顔にその役割の仮面が張り付き、現実世界でも取れなくなる。
目を覚ましたのは、気を失ったときと同じ場所。
日は高く上り、人々が活動する時間だ。
PCが探索すると、いつもと変わらない街並みが見える。
自由に探索させ、カフェ、レストランなど、「食事」に関する場面に進ませる。
3 第一幕 お茶会 (テーマ:殺人は必要ではないからしてはいけない)
テーブルを囲む椅子には、3人の人物が座っていた。
帽子を目深にかぶった男(帽子屋)、三月ウサギ、そしてヤマネ。
帽子屋と三月ウサギは眠りこけるヤマネとともに、お茶を楽しんでいる。
テーブルの中央には巨大なティーポットのようなものが鎮座している。
ティーポットは、歴史、または工作機械系の知識判定に成功すれば、巨大なオレンジの圧搾機であることがわかるだろう。
「ワインはいかが?」と帽子屋(あるいは三月ウサギ)。
机上にワインはない。
そのことについて指摘するなら、次は紅茶を進められるだろう。
やはり紅茶もないのだが。
そのことを指摘するなら、とにかく座るように促される。
「まぁいいから座りなよ」
座って彼らが話すのは、PCが犯してきたばかりの殺人について。
犯人についての名前は出てこないが、まるで見てきたかのように詳細に語る。
そして、「食べるために殺すなら仕方がないのではないか」
PCが殺人を肯定するか否定するかにより会話の方向性は異なるが、結論らしきところがでたところで議論は終わる。
あるいは、議論が長引きそうな場合、適当なタイミングで会話系の技能で判定させる。
成功すれば後述のヤマネを眺めるだけだが、失敗すればPCが圧搾機に誘導される。
何かの技能に成功すれば抜け出せたことにしてよいだろう。
「とにかく喉が渇いたな。そうだ、席替えをしよう」
椅子を一個ずつ時計回りに動くが、一つ席がなくなっていることに気が付く。
帽子屋と三月ウサギは、ヤマネを圧搾機に押し込み(あるいはPCを圧搾機の中に誘導し)、「ブラッディ・ドロップ」を絞り取ろうとする。
SANチェック
PCが場面を離れようとしても追いかけてはこない。
4 第二幕 クリケット (テーマ:殺人はルールだからしてはいけない)
主要人物は、ハートの女王、キング、兵隊たち。
PCはクリケットへの参加を求められる。
「だが、そなたに招待状は送ったはずじゃ」
覚えのない招待だが、招待状がないと言ってしまうと、バットとして扱われる。
ボールはハリネズミであり、逃げ出さなければHP2程度を失う。
PCが逃げ出しても、囲む兵隊たちに押し戻される。
逃げ出せそうにないことを描写する。
ゲームについて不満や異議を問うならば、ハートの女王と、次の議論「ルールであるなら殺人はしてよいか」を行う。
ある程度結論が得られるか、会話系の技能判定をもって終了。
5 第三幕 裁判 (テーマ:殺人は正義ではないからしてはいけない)
突然飛来したグリフォンに捕まったPCは、裁判所の傍聴席に放り出される。
裁判官の席にはハートの王と女王、12人の陪審員が座り、白うさぎがラッパを持っていた。
中央には鎖につながれた人物(PC)がうなだれている。
警備員に守られているため、顔をうかがうことはできない。
陪審員たちをみるなら、まだ裁判も始まっていないのに、黒板に必死に何かを書き留めている。
角度的に何を書いているかは読めないが、隣の席のモルモットに尋ねるなら、「忘れないように自分の名前を書いているんだよ」と教えられる。
なお、書いているのは、PCの名前である。
キャラクターたち(PCのコピー)は自分が何者であったかの記憶が薄れつつあり、必死に名前をつづっているのだ。
裁判が開廷する。
裁判のテーマは、「正義のためなら殺人は許されるか」
証人として、帽子屋が呼ばれ、PCが名指しで殺人を行ったときの様子を描写する。
次の証人として、PCが呼ばれ、傍聴席から押し出させる。
議論が尽くされた、あるいは会話系技能でオチを付けた後、つながれた人物が顔を上げる。
その顔は、PCのものだった。
登場人物たちもまた、仮面を取り外し、あなたの顔で、あなたを見つめてくる。
SANチェック
PCは再び気を失う。
なお、PCが圧搾機で殺されたりクリケットで断頭されている場合は、自分の仮面が取れなくなっていることに気付く。
永遠に精神世界で、演劇を繰り返すのだ。
鏡の国のアリスの最初のシーン「暖炉の前の子猫たち」になぞらえて現実っぽく描写し、徐々に不思議な描写を加えて脱出できていないことを描写してもよい。この場合、PCは自分の名前を思い出せなくなっていく。
6 殺人を犯す直前
PCは目を覚ます。殺人を犯す直前の場面だ。
PCが相手を再び殺すなら、エンディングに向かうような描写をした後、殺した相手が起き上がってくる。
PCが快楽殺人鬼であるなら、「ほら、これで何度でも楽しめるだろう」的な発言をしてもよい。
SANチェック。
PCが相手を殺すことをためらうなら、相手は不思議そうな顔をした後、にこりと笑って、最後の裁判ででた結論について口にする。
顔が歪んで、ニャルラトホテプの化身を直視する。
SANチェック。
7 エピローグ
激しくぶつかってあとは流れで。