もうすぐ11月も終わってしまうし秋季例大祭の通販分も届くし、すっきりした気持ちで新年を迎えるためにもどんどんレビューしていきますよ。
・令和狸合戦ぽんぽこ(折葉坂三番地)
 本作は、第15回東方紅楼夢にて頒布された「令和狸合戦ぽんぽこ 体験版」の完全版となります。
 妖怪の中でも特に人間社会と馴染み深い存在である化け狸。佐渡の化け狸の棟梁であるマミゾウさんのもとに、帝都・東京から七代目金長狸の便りが届きます。かつて多摩の森で繰り広げられた人間と狸の騒動が再び巻き起こるかもしれないとの報せに、マミゾウさんは結界を越え、改元に湧く外の世界に旅立ちます。
 ……というあらすじとタイトルから分かる人にはわかると思いますが、本作は多摩ニュータウンを舞台に人間と狸の騒動を描いた「平成狸合戦ぽんぽこ」をその下敷きとしたお話です。本サークルさんの作品はたくさん読んできましたが、史実だけでなくこうした既存作品と繋げた作風も魅力なんですよね。直接的なクロスオーバーまではいかないものの、しっかりと地続きになっていることが作品の強度の向上にも繋がっているという。
 さて本作の魅力といえば、日本の数々の伝承に名を残すたくさんの化け狸たちでしょう。わたくし不勉強で化け狸といえば隠神刑部とか證誠寺くらいしか知りませんが、個性豊かな化け狸たちが本作独自の姿を与えられて活躍する終盤のバトルは大迫力。
 「二次創作におけるオリキャラの投入」はかなり危険というか扱いが非常に難しい要素だと思っています。本作の化け狸たちは厳密にはオリキャラではありませんが、どのキャラも個性的かつ作中での扱いのバランシングがうまく、過不足なく東方二次創作の範疇に収まっていたと思います。個人的には栄誉権現が非常に濃いキャラで好き。
 そしてお話の方も面白かったです。体験版の方では一連の騒動の黒幕は明かされていなかったので黒幕の正体を楽しみにして読んでたんですが、まさかのまさかでひっくり返りました。都市伝説で鵺の一部でしかも狸と関係があると聞いてこれを想像できる人はなかなかいないでしょう。実に上手い。あと、マミゾウさんにちゃっかり着いてきた響子の活躍も良かったですね。原作の能力をしっかりアレンジして作中の展開に活かしているのが上手い。
 今日はここまで。
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