紅楼夢も無事終わりましたが、見たい映画は常に公開され続けているので休息のときはない。
というわけで今日見てきたのはこれ!
みんな大好き弐瓶勉先生原作の作品ということで見てきました。
先に結論から言うと失敗してしまった。何が失敗かと言うと、本作は今年の1月から3月にかけて放送されていたTVアニメ「大雪海のカイナ」全11話から直接的に続く、実質的な最終話というポジションだったようなんですね。
しかしわたくし人形使いはいつものように前情報一切無しで見に行ったので、実質的にいきなり最終話を見ることになっておきました。弐瓶勉先生及びポリゴン・ピクチュアズの名誉のために言っておきますがこれについては完全にこっち側のミスです。見てて明らかにこれ前の話があるよなあと思ってたんだよ……。
本作の舞台は雪海と呼ばれる広大な雪原が広がり、軌道樹と呼ばれる巨大な樹がそびえ立つ世界。主人公らは日々不足していく水を求めて、もっとも巨大な軌道樹である大軌道樹へと旅を始めます。
二瓶先生の作品といえば巨大な建築物に覆われた世界ですが、本作は逆にひたすら広がる雪原の中に人間の集落が点在しているという世界で、まさに「広漠」という言葉がぴったりな世界観です。この世界観は「人形の国」にも共通する「白」のカラーイメージですね。
また、その世界観を余すところなく表現するビジュアルもいい。大地は雪原に覆われ、巨大な軌道樹が作る膜である天膜の上で人々が生活しているというビジュアルは特異かつ美しい。
そして本作の目玉ともなるのが巨大ロボット「建設者」。広漠な世界の中にそびえ立つ巨大な人型のシルエットは恐ろしくかつ神秘的。あとは音響も世界の広大さを感じられてよかった。
しかし反面、最終話に相当する部分から見たことを差し引いてもビジュアル以外の部分がちょっと……と思わずにはいられませんでした。
ストーリーがかなり駆け足で、「ストーリーを語っている」というよりは「スケジュールをこなしている」という印象が強く、ビジュアルはいいのにストーリー的な盛り上がりをいまいち感じることができませんでした。
また、キャラクターについてもあまり感情移入できませんでした、というか主人公であるカイナの出番が少なすぎないかこれ。これは前述の通りそれまでの話であるTVシリーズを見ていなかったからというのももちろんあるのは承知の上なんですが、他のキャラに比べてカイナの人となりがわかるシーンがあまりにも少なくて、主人公であるはずなのにいちばん浮いてる感じが非常に強かったです。まあ主人公は実質ヒロインであるリリハなんでしょうけど、それにしたってカイナがあまりにもストーリーに絡んでいないのが気になってしょうがなかったです。
そしてこれが本作を見てていちばん気になった点なんですけど、広漠な世界観や巨大な建設者のビジュアルに対して人間側がやってることの規模があまりにも小さすぎる。
カメラというか視点が、雪海や軌道樹、建設者といった広大な世界観や巨大ロボットに向いているときはいいんですが、視点が人間に行った途端に数人でチマチマ戦ってたり狭い場所で延々話してるだけだったりといきなりこぢんまりとしたシーンになってしまうので、一気に迫力がなくなってしまう印象が強いんですよね。
というか本作の屋内のシーンが全体的に狭いんですよ。特に本作の悪役であるビョウザンの私室とか、悪のボスなんだからもうちょっといい部屋に住めよと思わざるを得ません。なんか1DKで家賃3万円の安アパートみたいだったぞあの部屋。
と言った感じに、今までの二瓶作品と比べると不満の方が大きく感じられました。この辺はTVシリーズを見たらまた変わるのかな。
ただ、世界観はホント好き。ビョウザンの国である「プラナト」の意味がラストで判明するところとかうまく世界観にマッチしててよかっただけに、もうちょっとづと―リートキャラクター部分がどうにかならなかったかな……と思わざるを得ません。