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けれど、まだその形はぼんやりとしたまま。もう少しでその光は、星座のように形になりそうな気がするのですが、そこから先はいくら考えても壁に突き当たってしまいます。
魔理沙はしばらく、ああでもないこうでもないと資料の上を転がりながらうめいていましたが、突然がばっと起き上がりました。
「止めた。このまま考え込んでるだけなんて私の性に合わないぜ。ここにある資料に手がかりがないなら、先達の力を借りるとするか」
そう言って魔理沙は、壁に立てかけてあった愛用の魔法のほうきを掴んで夜空に飛び立ちました。目指すはもちろんというべきか、紅魔館でした。
(続き)
「どちらも東洋の呪術的歩行法のことよ。特殊な歩行法で悪運を遠ざけて吉祥を呼び込むの」
「特殊な歩行法……? つまり一種の舞い……踊りってことか」
「拡大解釈すればそうなるかもしれないわね。というか、こういうのって東洋人(あなたたち)の文化なんじゃないの?」
「私は西洋魔術専門なんだよ。この正統派魔女ルックが目に入らないのか」
「専門外も勉強しときなさいよ、この怠け者」
パチュリーに適当な相槌を打ちながら、魔理沙は手元の本のページを素早くめくります。そこに魔理沙は気になる文章を見つけました。
「『禹歩においては、歩いた跡を北斗七星に見立てる』……?」
さっき「こういうのは専門外だ」と言ったばかりですが、星や星座をモチーフとした魔法を好んで使う魔理沙にとっては、「北斗七星」というキーワードは見逃すことのできないものでした。
そして、魔理沙はそう遠くない過去に、この北斗七星を象徴する人物と戦ったことがあるのです。
「摩多羅隠岐奈……!!」
四季異変の黒幕にして、この幻想郷を作ったという賢者のひとり。後戸の神・障碍の神・能楽の神・宿神・星神・幻想郷の賢者・フィクサー・地母神・能楽の神・星の神・養蚕の神・障碍の神・被差別民の神……といった無数の顔を持つ神。
その摩多羅隠岐奈は、四季異変の際に調伏されたはずです。仮に隠岐奈がこの異変の黒幕だったとすれば、一体何が目的なのでしょうか。そして、妖精やルーミアたちに怒った異変とは?
「助かったぜパチュリー! このお礼は今度な!」
本を勢いよく閉じると、魔理沙は来たときと同じように猛スピードで地下図書館を出ていきました。その後姿を、パチュリーは澄まし顔で眺めています。
「まったく騒がしいったら。まあ、せいぜい頑張りなさいな」
夜の闇を切り裂くように、大妖精の放ったクナイ弾が列をなして正面から襲ってきます。それをルーミアは、クナイ弾のあいだに自ら体を滑り込ませるようにしてかわします。そのステップに、大妖精はにっこり笑って拍手を送りました。
「すごいすごーい!」