模倣と言えば、魔理沙にとっては学習の基本でした。魔理沙の脳裏に、幼いころ、父から入ってはいけないと厳命されていた母親の私室に忍び込んで本棚から引っ張り出した魔導書の内容を、見様見真似で真似していたことが思い起こされました。そのまま回想が望ましくない方向に向かってしまいそうになるのを魔理沙は頭を振って中断します。
(踊りにおける模倣……模倣するということは、当然模倣される対象がいるということだ。そして、踊りにおける模倣の対象とは……)
魔理沙の頭の中の情報が、まるで星々のように輝き始めました。思考がまとまってくるに連れて、その光は互いに結びつき星座になっていきます。そしてその星座が形作った「答え」は――。
ルーミアが魔理沙と分かれた後、時間は夕方を過ぎてすでに夜になっていました。周囲をオレンジ色に染めていた夕日はもうとっくに昔に沈んでおり、代わりに空には大きな三日月が浮かんでいます。
夜は妖怪の時間、たくさんの妖怪が活動を始める時間ですが、今日は夜には寝ているような小さな妖精もまだ起きていて、次から次へとお祭り騒ぎに引かれるように集まってきています。その中でルーミアは、元気絶好調といった感じで暴れていました。
「ふーんふーん♪ ふふふーふーふーふーん♪」
上機嫌で鼻歌を歌いながら、ルーミアは昼間からずっとそうしているようにリズムに乗って踊りながらの新しい弾幕ごっこに夢中になっています。
「それにしても……朝からずっとこの調子なのに全然体が疲れない。もしかしてわたし、ついになにかとてつもない力に目覚めちゃった?」