ほーらやっぱり塚口なら絶対やってくれると思ってた「ビデオドローム」。
 「パーフェクト・ブルー」も「パプリカ」もやるので9月は脳みそゆわんゆわん系ムービー(なんだそりゃ)が充実していて俺によし。裸のランチもやってくれないかなあ。あわよくばザ・フライも。
 というわけで今日は3時間近い映画を2本見てきました! 1本目はこれ!
 実はわたくし人形使い、体調崩したり原稿やってたりしててまだ吹替版見てなかったんですよね。
 今日でいったん吹替版は上映終了ということだったので、滑り込みで見てきました。
 RRRは何回見ても面白い無限に食べられるマヨヒガ飯みたいな映画なわけですが、今回の吹替版ではまた今までになかった感想を抱きました。
 今までずっと字幕版で見てた映画を吹替版で見ると、なんかRRRがすっかり古典的名作になって金曜ロードショーで放映されるようになった世界線に紛れ込んだ気分になりました。
 そしてもちろん、杉田智和氏演じるビームと日野聡氏演じるラーマに言及しないわけにはいきません。
 同じ作品の字幕版と吹替版を見比べるとけっこう印象が違うように感じることもありますが、今回の吹き替えは字幕版のイメージを非常に大切にしているのがはっきりわかりました。ただ単に声を寄せるってだけでなく、キャラクターのイメージを損なわないようにしているので、変な違和感などは全くなし。安心して見ることができました。
 杉田氏演じるビームは字幕版よりももう少し若いイメージに感じました。そのためラーマとの疑似兄弟感が強まっててとてもいい。日野氏演じるラーマは、字幕版よりもさらに理知的な雰囲気、そして本音や自分の感情を押し隠している感が増しているように思えました。
 また、字幕版と吹替版を比較するときの楽しみとして、「セリフや言い回しの変化」があると思っているんですが、字幕版でのビームがラーマを呼ぶときの「兄貴」が「兄弟」になっていて、「同志感」が強くなってて好き……と思ってたら、ここぞというタイミングで「兄さん」と来ましたよ!
 108まであるオタクの好きなやつのひとつである「特別なシーンで呼び方が変わる」をここで仕込んでくるとは見抜けなかった、この海のリハクの目を持ってしても。
 また、おそらくは吹き替えの大きなハードルとなったであろう「ジェニーとビームはお互い言葉が通じていない」というポイントを「ビームは口下手でジェニーに対してはあまりはっきり自分の意図を伝えられていない」に変えたのはまあ多少強引だとは思いますがうまい具合にやったなあといった感じ。
 ビームもラーマも野太い咆哮が迫力があってよかったですね。
 あと個人的に変な方向に株が上がったのがジェイクですよ。吹替版を演じられている峰晃弘氏のお名前はわたくし不勉強で存じ上げなかったんですが、なんかいかにもカッコつけのイヤなやつっぽさが出てて好き。
 サンサン劇場では字幕版+吹替版の「肩車上映」が決定しているようなので、連続で見てみるとどんな感じなのか楽しみです。
 少し時間を開けて2本目はこれ!
 この作品も見よう見ようと思っててなかなか見に行けず、気がつけば今日で上映終了となっていたので同じく滑り込みで見てきました。
 インド映画にハマり始めてから、「バンバン!」や「WAR!!」などインド映画にはスパイ映画がけっこう多いもんだなと気づきました。これは派手なアクションや美男美女の魅力を全面に出しやすいという他に、「インド社会にはさまざまな文化的、国際的軋轢が埋まっているから」という理由があるんじゃなかろうか……。
 本作、序盤から中盤くらいまではド派手なアクション! 筋肉! 美男美女! といった感じでこれまで見てきたスパイ系インド映画の中でも大幅にエンターテイメント方向に振った痛快アクション大作だと感じてたんですよね。
 予告で非常にインパクトのあった格納庫内でのヘリバトルとか、クライマックスの脱出シーンかなんかだと思ってたら序盤どころかアバンタイトルだったという……。
 このようにド派手なアクションを惜しむことなくバンバン見せてくれる本作ですが、その背景にあるものがあまりにも悲し重い……。
 主人公パターンのかつての仲間であり、生物兵器によるテロを企てた敵であるジム。そのジムがテロを企てた理由が、「テロ組織に囚われた自身と妻を『テロ組織とは交渉しない』という基本原則に従って見殺しにしたインド政府への報復」なんですね。
 これは非常に衝撃でした。
 これまでのインド映画では、当然というべきか母国インドは称え、守り、忠誠を誓う対象として扱われてきました。しかし本作では、そもそもインド政府が冒頭でパキスタン・JK州の自治権を一方的に無効化するという措置を取ったことが一連の事件のきっかけになってるんですよね。
 そしてこれは自分自身もまったく思っていなかったことなんですが、これまで見てきたインド映画における数々の兵士がインド政府に忠誠を誓い、母国インドのために命すら投げ出してきたその裏で、その「忠誠」のために自分を、あるいは家族を犠牲にされてきた人々もいるわけなんですよね。そのひとりが、まさに今回の敵であるジム。
 ジムは自分と妻、そしてまだ生まれてすらいなかった子どもをテロ組織に射殺されたことから、テロ組織との交渉に応じなかったインド政府を激しく憎み、今度は自分自身がテロ組織を作り上げ、「これでもお前たちはテロ組織と交渉しないというのか?」とインド政府に問いを投げかけます。
 作中でジムはしばしば、パターンたちのインド政府への忠誠を「片思い」と揶揄しますが、それなら本作でジムがインド政府に対してやってることは、親から見放されてもその愛を確かめずにはいられない子どものそれなんですよね……。
 そもそも、ジムがインド政府に対して抱いている感情が憎しみだけだったのなら、問答無用で後先考えず無差別攻撃を仕掛けることだってできたはずです。実際、ラストで明らかになったジムが作り上げた基地の様子を見れば、それだけのことができる装備は整っていたはず。
 にも関わらずジムがインド政府に、ひいてはパターンに対して行っているのは「一方的な攻撃」ではなく一貫して「問いかけ」なんですよね。
 「問いかけ」を行うのはなぜか。それは「答えを求めているから」にほかなりません。
 ジムはその最期に、パターンに止めを刺されることにある種の「答え」を得たのだろうな……と思いました。
 なんかジムのことばっかり書いてますね。いやたしかにパターンの出自やらルトラ大佐って「WAR!!」に出てきたあの人と同一人物だよなとか、パターンの回想シーンで出てきた同僚「タイガー」のオシャレカッコイイ戦闘スタイルとか列車逆走とか書きたいことは山ほどあるんですが、わたくし人形使いの「判官贔屓」のスキルが発動してしまったので、見てる間じゅうずーっとジムのほうに感情移入して見てました。
 また本作は「YRF(ヤシュ・ラージ・フィルムズ) スパイ・ユニバース」として展開していくことが決定しているようなので、そちらでの展開も楽しみです。
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塚口サンサン劇場「RRR吹替版」「Pathaan」見てきました!
初公開日: 2023年09月07日
最終更新日: 2023年09月08日
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